
プラスチックは私たちの暮らしに欠かせないものとして、さまざまな分野で利用されています。一方で、増加するプラスチックごみ(プラごみ)が、環境汚染や資源の枯渇など大きな問題になっています。
プラごみの現状と課題
プラスチック製品は“使い捨て”を前提に生産・活用されるものが多く、製品としての役割を終えた後はプラごみとして処分されます。一方で、ポイ捨てなどにより適切に処分されなかったプラごみの多くは海洋流出し、海底に沈んだり海洋中を漂流したりすることで、海洋生物が誤食やケガをするなど、生態系に大きな影響を与えています。
また、プラスチック製品の使用量が今後も増え続け、適切な処分が行われないと、2050年には海洋中のプラスチックの量が、魚の総量を上回ると言われています。
人工芝が河川や海に流出?!
家のベランダ、スポーツ施設や学校などさまざまな場所で使われている人工芝。一方で、劣化してちぎれた破片などが海洋に流出しています。国内の川や海で見つかったマイクロプラスチック(※)の中で、人工芝が1番多かったとの調査結果もあります。
※マイクロプラスチック:大きさが5mm以下になったプラスチックのかけら
マイクロプラスチックを出さないために、
●人工芝を購入するときは、耐久性の高いものを選びましょう!
●設置後は、こまめな清掃や、折れ始めた人工芝は交換するなど適切な管理をしましょう!
プラごみ削減に向けた福岡県の取り組み
令和4年4月に「プラスチック資源循環法」が施行されたことに伴い、福岡県はプラスチックの資源循環に向けた取り組みを強化しています。
福岡PayPayドームでの取り組み
アサヒビール株式会社・福岡ソフトバンクホークス株式会社と連携し、福岡PayPayドームで「森のタンブラー for 福岡ソフトバンクホークス」を使ったプラごみ削減に令和5年3月末から取り組んでいます。
森のタンブラーは、福岡ソフトバンクホークスの選手が練習や試合で使用し、折れてしまったバットの一部をアップサイクル(※)したもので、繰り返し使用可能です。タンブラーを使うことで、令和5年3月31日から4月2日の3日間で使い捨てプラカップ約2,000杯の削減につながりました。
環境問題に取り組むというと「我慢」や「努力」のイメージがありますが、日常生活の中で楽しみながら、気軽に取り組めることを啓発し、プラごみ削減に向けた機運を高めています。
※アップサイクル:廃棄予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる手法
回収・再資源化実証事業
全国に先駆けて新たな資源循環の仕組みを構築するため、クリーニングの衣類用カバーと薬局の医薬品ボトルの回収・再資源化実証事業に取り組んでいます。
衣類用カバー
ほとんどの人が使用後に捨てているクリーニングの衣類用カバー。このカバーのリサイクルに向け、県と福岡県リサイクル総合研究事業化センター(以下「リ総研」)は、福岡県クリーニング生活衛生同業組合と協同して、令和4年7月から、県内14店舗での店頭回収を開始しました。実証事業では、回収量を増やす工夫や異物の付着を防止するための方法を検討します。回収したカバーは、最終的にもとの衣類用カバーに再生することを目指しています。
医薬品ボトル
薬局では、調剤後に空となったプラスチック製の医薬品ボトルが多く発生しており、県とリ総研は、福岡県薬剤師会と協同して、令和4年10月から、一部の地域の会員薬局でのボトル回収を開始しました。
実証事業では、各薬局の医薬品ボトルを効率的に回収し、プラスチック再生事業者へ運搬する方法を検討します。また、回収したボトルは、最終的に薬局で活用する製品に再生することを目指しています。
私たちにできること
プラスチックの使用量を減らす
私たち一人ひとりのプラスチック使用量を減らせば、プラごみの発生量も抑えられます。
例えば、買い物にはマイバッグを持参して、レジ袋をもらわない、精算時は、不要な使い捨てスプーンやフォークをもらわないなど、簡単な行動を心がけるだけで、プラスチック使用量を減らすことができます。
その他にも、お茶は急須やティーサーバーで入れ、ペットボトル飲料はできるだけ購入しない、お弁当は自宅で作り、プラ容器入り弁当の購入回数を減らす、雨天時は傘カバーを持参し、使い捨てカバーを使わないなどの取り組みも有効です。
環境によいものを選ぶ
「選ぶ」というアクションを心がけることも大切です。商品を購入する際は、バイオマスマークやエコマークなどの「環境ラベル」がついたものを目印に選ぶ、洗剤やシャンプーは、詰め替え用がある商品を選ぶ。また、出前やテイクアウトの際、紙や木、再生材、バイオマスプラスチックなどの環境に配慮した容器で提供する店を選ぶなど、プラごみの削減につながるさまざまな選択肢があります。
プラスチックをリユース・リサイクルする
使わなくなったもの、使い終わったものはすぐに捨てるのではなく、まずは必要な人に譲る、フリーマーケットを活用するなどのリユースが出来ないか考え、次に、きちんと分別してリサイクルをするなど、資源を無駄にしないことが大切です。プリンター用インクカートリッジなどメーカーが自主回収している製品もあります。
リユースやリサイクルは新たなプラスチックの使用を減らすことにつながります。
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<問い合わせ先>
福岡県 環境部 循環型社会推進課
TEL. 092-643-3371