アートで未来を考えよう 製鉄の聖地で「ART for SDGs」開催

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 アートを通じて持続可能な未来について考える「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」が4月29日(木)~5月9日(日)、北九州市八幡東区の東田地区を中心に開催されます。約30組のアーティストの作品が集まり、一帯がアートに染まります。

テーマは「SDGs」

 「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」は、「東アジア文化都市北九州」のメイン事業の一つとして行われます。北九州市は世界的に課題となっている「SDGs」の取り組みに力を入れています。

SDGsとは
 「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った略称。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標で、17のゴール・169のターゲットで構成される。

 メイン会場の東田地区は、官営八幡製鉄所の操業(1901年)から近代日本の発展を支えた場所です。現在は「いのちのたび博物館」や「環境ミュージアム」などの文化施設が整備され、北九州市の歴史・文化の集積地となっています。


芸術祭の会場の一つでもある「いのちのたび博物館」

 2022年にはスペースワールド跡地にショッピングモールや新科学館が誕生する予定で、新しいまちづくりが進んでいます。時代に合わせて変化を続け、さらに生まれ変わろうとしている東田地区で、未来を見つめるのが今回の芸術祭なのです。

約30組が参加

 ディレクターを務めるのは、森美術館(東京)の特別顧問・南條史生さん。南條さんは「ART for SDGs」について、「アートを通じて新しい生き方のヴィジョンと考え方を広め、来たるべき社会のよりよい未来を描くことを試みます」と語っています。


ディレクターを務める南條史生さん


 参加アーティストは約30組。テレビ出演もこなすメディアアーティスト・落合陽一さん、「義足のアーティスト」として知られる片山真理さんらの作品が展示されます。


落合陽一さん Photo Mika Ninagawa


 東田地区の施設を作品に生かすアーティストもいます。パリのエッフェル塔をライトアップした照明デザイナー・石井リーサ明理さんは、東田第一高炉跡を光で演出する予定です。また、団塚栄喜さんは東田大通り公園の芝生に、大きな人型を浮かび上がらせます。


ジャポニスム2018 エッフェル塔特別ライトアップ


ライトアップされる予定の東田第一高炉跡

 新作を披露するアーティストも多く、制作段階から市民が参加するプロジェクトもあります。このほか、ワークショップやトークイベントなども計画されています。


「一緒に考えたい」

 開幕2か月前から北九州市で活動を始めているアーティストもいます。東田大通り公園で、海の漂着物を用いた動物のオブジェを制作している淀川テクニックさんに、作品について聞きました。


淀川テクニック さん

 本名は柴田英昭。1976年に岡山県で生まれ、現在は鳥取県在住。海の漂着物やごみを素材に造形物を手がけ、岡山県・宇野港に展示されている作品「宇野のチヌ」が有名。海外の展覧会にも参加し、小中学校の教科書でも紹介されている。

――今回の作品は?

 絶滅したフクロオオカミとドードーのオブジェを制作します。北九州市の離島・藍島で学生ボランティアたちと海岸の清掃活動をしながら素材を集めました。


会場で制作中のフクロオオカミ(左)とドードー

――頻繁に島へ通っているのですか?

 3月上旬までに7回行きました。制作を進める中で、「この色がもっとほしい」ということになれば、また出かけるでしょう。いつも色合いや素材を決めずに集めて、あるもので作品を作るのですが、毎回どうしても足りないものは出てきますから。

――なぜ漂着物を素材に?

 僕は海岸にあるものをごみとは見ていなくて、「文化が流れ着いている」と考えています。ほかの国の文化、使った人の記憶のようなものが見えます。北九州は大陸が近いから、特に中国語や韓国語のものを見る機会が多いですね。作り手として、ごみに対する別の視点を投げかけたいと思っています。


藍島での清掃活動に参加したメンバー

――絶滅種を作ることにした理由は?

 この2種は人間のせいで絶滅したといわれています。今回のテーマはSDGs。人間が出したごみで、人間が絶滅させた動物を作るというのは自分の中でとてもしっくりきて、メッセージ性もあると思いました。絶滅動物を制作するのは今回が初めてです。


「宇野のチヌ」 2010 Courtesy of the artist and YUKARI ART

――芸術祭のテーマはSDGsです。

 僕自身、まだ勉強不足ですが、人間が地球環境を考えるスタート地点にやっと立ったのではないかと思っています。人間が生き方を考え直す時期なのかもしれません。環境問題は複雑で、お金で解決できるような簡単なものではありません。今はまだ問題を浮き彫りにしている最中なのではないかと感じます。


3月上旬、淀川さんは骨組みの溶接を行っていた

――作品への思いを聞かせてください。

 ごみもアートの立派な素材になるということを知ってもらい、身の回りにあるものの見方を変えるきっかけになればうれしいです。説教くさくなく、一緒になってこれからのことを考えていきたいです。


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