ランドセル重すぎ問題 福岡市教委がパソコン持ち帰りの柔軟対応を校長会で指示

保護者に配られた福岡市立小学校の資料
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- 「1年生のランドセルが7キロ」
- 教育委員会も試行錯誤中
- ご意見ありがとうございました
福岡市内の市立学校に通う児童・生徒に配備されたキーボード付きタブレット端末の持ち帰りについて、福岡市教育委員会は9日、オンラインで校長会を開き、子どもの発達段階などに応じて負担を軽減するよう口頭で指示しました。これを受け、一部の小学校では端末の持ち帰り基準が見直されました。
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子どもたちの負担軽減を求める
福岡市教委によると、児童・生徒のタブレット端末については、新型コロナウイルス感染の影響で休校・学級閉鎖になってもオンライン授業にすぐ移行できるよう、これまで通り毎日の持ち帰りを推奨しながらも、子どもの発達段階などに応じて柔軟に対応するよう校長会で各校長に指示しました。
これを受け、市内のある小学校では10日、保護者に資料を配布。「緊急事態宣言の延長で、持ち帰る期間も長くなりました。児童の荷物負担を考慮し、発達段階に応じて基準を見直しました。体格や通学距離によっては上学年でも学校に置いたままにする個別対応も可能です。ご相談ください」と、低学年については持ち帰りを週末に限定し、高学年の児童も個別相談に応じるとしています。
「1年生のランドセルが7キロ」
福岡ふかぼりメディアささっとーは7日、「ランドセル重すぎる…小学生が毎日パソコン持ち帰る必要、ありますか?」と題した記事を掲載。福岡市教委と北九州市教委の対応を取り上げたところ、読者から多くのご意見が届きました。
「1年生で体格も小さいのにタブレットが入ったランドセルは7キロありました。40分近く歩くので、肩や首に跡が残るほど食い込んで帰ってきています。毎日はかわいそう」(30歳代、女性)
「ランドセルは5キロ以上。肩や腰の痛み、頭痛で苦しんでいます。将来の健康被害につながらないか心配」(40歳代、女性)
「端末を毎日持ち帰るため、教科書やノートで使わないものは学校の指示で学校に置いています。逆に、調べたいときに教科書で調べることが出来なくなりました」(30歳代、女性)
「同級生が『重いので持って帰らなくていいですか』と担任に聞いたら、『緊急事態宣言が終わるまで頑張って』との返事。必要時に保護者が学校に取りに行けばいいのでは」(40歳代、女性)
「学校での管理だと充電をするのが先生の負担になるのではないかと心配」(40歳代、女性)
「端末は結構重い。うちの小学校では授業でそれほど使っていないし、宿題はこれまで通り、紙」(40歳代)
教育委員会も試行錯誤中
寄せられた声をもとに、福岡市教委に取材しました。市教委は、子どもへの負担が心配な場合は学校に相談してほしいと強調します。
「休校・学級閉鎖でもタブレット端末が手元にあればオンライン学習に遅延なく移行できます。ただ、子どもたちの健康は大切です。各学校には柔軟に対応していただくよう、口頭で校長に伝えました」
福岡県は緊急事態宣言が9月末まで延長されました。市教委の担当者は、オンライン学習へのスムーズな移行や、端末を学校に保管した場合に想定される休校・学級閉鎖時の課題にも触れ、「コロナ禍におけるオンライン学習は『正解』がなく、試行錯誤しています。保護者の理解を得つつ、児童・生徒の負担軽減については今後も検討を進めてまいります」と理解と協力を求めています。
ご意見ありがとうございました
7日公開の記事「ランドセル重すぎる…小学生が毎日パソコン持ち帰る必要、ありますか?」で、読者の皆さまにご意見・ご感想を求めたところ、多くの声が寄せられました。いただいた情報をもとに福岡市教委へ追加取材をしました。
ささっとー編集部では、いただいたすべてのご意見に目を通しています。ご協力、ありがとうございました。