京都のNPOが福岡へマスク4万4000枚 応援と感謝をウェブで見える化

感謝のメッセージを掲げる福岡県岡垣町のNPO法人「にこり」の看護師ら(提供:NPO法人あおぞら)
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記事 INDEX
- 福岡県内へマスク4万4000枚
- 新型コロナで海外での活動できず
- 応援と感謝の"見える化"
カンボジアなどで医療支援活動に取り組むNPO法人「あおぞら」(京都市)は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の医療機関などにマスクを届ける「20万枚のマスクを『あの人に』とどけるプロジェクト」を展開しています。福岡県内には北九州市保健所や産業医科大学病院など9団体・施設に、計4万4000枚が配られる予定です。特設サイトにはマスクを受け取った人たちの感謝のメッセージや写真が公開され、「応援」と「感謝」が見える化されています。
新型コロナで海外での活動できず
あおぞらは2017年、医師の葉田甲太さんが中心になって設立し、カンボジアやラオス、タンザニアで医療支援活動を行っています。葉田さんは、映画「僕たちは世界を変えることができない。」で向井理さん演じる主人公のモデルにもなっています。新型コロナウイルスの感染拡大によって海外での活動は困難になり、国内の地域病院や福祉の現場を支えるため各地にマスクを届ける取り組みを5月から続けています。
今回のマスクは、パソコン周辺機器メーカー「エレコム」(大阪市)が20万枚を購入して、あおぞらに寄贈。あおぞらがマスクを必要としている全国の医療機関や高齢者福祉施設など約50団体に配っています。
「応援」と「感謝」の"見える化"
あおぞらによると、今回のプロジェクトは、医療機関だけでなく、その先にいる患者や妊産婦、保育士などへマスクを届けるのが狙いです。
福岡県内へは、NPO法人「地域医療連繋団体.Needs」(北九州市)と連携して6月中にマスクを送ります。北九州市門司区の福祉施設「サポートセンター門司」には3000枚が届き、施設長の中村順子さんは「マスク不足はまだ続いています。職員は手作りマスクでしのいでいるので全員に配ります」と感謝しました。
あおぞらでプロジェクトのリーダーを務めている医師の嶋岡鋼さんは「新型コロナウイルスの感染拡大で不安感や不信感が増している社会に、助け合いのかたちを見せることで、前向きな気持ちを共有していきたいです」と話しています。