
色とりどりの花が並ぶ「伊都菜彩」の売り場
記事 INDEX
- 福岡県は全国有数の花産地
- イベント中止で需要が低迷
- 花に癒され元気をもらって
福岡は全国屈指の花どころです。新型コロナウイルスの影響によってイベントなどが相次いで中止・延期となり、花の需要は大きく落ち込んでいます。福岡県で育てられた花を家に飾って生産者を応援しませんか。
2018年産出額は全国3位
福岡県の2018年の花産出額は愛知、千葉県に次いで全国3位を誇り、八女市の電照菊、広川町のガーベラなどが有名です。玄界灘に面して温暖な糸島市では、約130戸の農家が100~150品目を栽培し、出荷量の半分が関西・関東を中心とする県外で消費されます。
福岡県産の代表的な花
▽洋ラン=切り花(八女市)は全国1位、鉢物(糸島市)は全国3位
▽ガーベラ(広川町)=全国2位
▽トルコギキョウ(久留米市、宮若市、糸島市)=全国3位
▽キク(八女市、筑後市、糸島市、広川町)=全国3位
▽バラ(福岡市、久留米市、うきは市、糸島市)=全国4位
※かっこ内は主な産地。2018年農林水産省統計に基づく都道府県順位
色とりどりの花が並ぶ直売所
糸島市波多江にあるJA糸島の直売所「伊都菜彩(いとさいさい)」の売り場には、色とりどりの切り花が並び、大勢の客でにぎわっていました。福岡市西区から訪れた主婦は「種類が多いし、産地直売で花持ちがいいのも魅力です」と、楽しそうに品定めをしていました。
イベントの中止・延期で、花農家は打撃を受けています。JA糸島でも、売り上げが例年より3~4割減少しており、園芸振興課の花卉係長・森本智憲さんは「農家が丹精込めて育てたのに、行き場をなくすのはつらい」と嘆きます。
生活に彩りを、農家に元気を
「地産地消」を進めて農家を支援しようと、森本さんは地元産の花で作ったJAオリジナルの花束を糸島市内の花店を通じて販売する企画を立案し、3~5月に約700束が売れました。トルコギキョウの栽培農家で、JA糸島の花卉販売委員会委員長でもある大原重信さんは「糸島の花を身近に感じ、SNSにもアップして応援してほしい」と期待しています。
夏に向けて、ヒマワリやクルクマなどの花々が出荷の最盛期を迎えます。森本さんは「花は場を華やかに彩り、癒やしを与えてくれる。買う人も農家も、元気になってもらえれば」と話しています。
切り花を購入できる主なJA直売所
▽よらん野(筑後市)0942-54-7755
▽にじの耳納の里(うきは市)0943-75-8111
▽伊都菜彩(糸島市)092-324-3131