標本で学ぶ沖ノ島の自然 海の道むなかた館で企画展

祈りの原風景「沖ノ島の豊かな自然」展が開かれている会場

 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録5周年を記念した企画展・祈りの原風景「沖ノ島の豊かな自然」展が8月2日、福岡県宗像市の世界遺産ガイダンス施設・海の道むなかた館で始まった。

 宗像大社の神職以外の上陸が原則禁止されている沖ノ島の動植物や地質、環境について、1960~70年に修猷館高、福岡高、八幡中央高を中心に行われた生物総合調査の資料をベースに紹介。島には「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」との禁忌があるため、昆虫や鳥類、哺乳類、植物などについて、本土に生息する同種の標本やパネルで解説する。

 また、島で生息が確認されている爬虫(はちゅう)類はニホントカゲだけで、両生類は確認されていないことや、対馬海流による適切な温度と多湿、人の影響を受けないという三つの要素によって動植物が保たれている一方、ビロウの幹には100年以上前の落書きが風化することなく残されているという一面にも触れている。

 担当する市世界遺産課の岡崇さんは「行けない島の自然を知り、環境を考えるきっかけにしてほしい」という。

 12月28日までで、原則月曜休館。観覧無料。問い合わせは同館(0940-62-2600)へ。


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