「負けるか!」 高倉健さんの言葉で旦過市場を応援

水上さん(右)に前掛けを贈る築城さん

 北九州市の伝統工芸・小倉織を生産している「小倉縞縞(しましま)」(北九州市小倉北区)は、2度の大規模火災に見舞われた旦過(たんが)市場(同区)を応援しようと、同市にゆかりがある俳優高倉健さん(2014年死去)の言葉をあしらった支援グッズ「旦過 負けるか!」の販売を始めた。販売利益は旦過地区に寄付する。9月1日には市場の店主らにグッズの前掛けが贈られた。

小倉織の会社がグッズ製作

 市場関係者の知人から「2度の火災で心が折れた」という声を聞いた同社専務の築城弥央(みお)さんが支援を検討。築城さんの母で、同社デザイナーで染織家の築城則子さんが親交のある高倉さんが所属していた事務所「高倉プロモーション」の代表取締役、小田貴月さんに相談した。

 小田さんは「高倉は39歳の時に自宅が全焼した。2度の旦過市場の火災を知り、一瞬にして何もかもが燃え尽きた体験を話してくれた高倉の声がよみがえりました」と賛同。小田さんからは、高倉さんが映画「八甲田山」「南極物語」など過酷な撮影に臨む時に心に刻んでいたという言葉「負けるか、この野郎」を紹介してもらい、支援グッズにデザインすることにした。

 8月19日から販売を始めたグッズには、高倉さんの顔や言葉、「旦過 TANGA」の文字をデザイン。ハンカチ(税込み1500円)やTシャツ(同3000円)、前掛け(同5500円)などを製作した。高倉さんの言葉は同市在住のイラストレーター、黒田征太郎さんが書き、同市出身のデザイナー、野口剣太郎さんが全体のデザインを担当した。


高倉健さんの言葉がデザインされたTシャツと前掛けを着用した築城さん


 9月1日には、市場の関係者を励まそうと、専務の築城さん自らが市場南側の店舗を巡り、店主らに「長い道のりだと思いますが頑張ってください」などと声をかけて前掛けを贈った。


 さっそく着用したうどん店主の水上桂子さんは「2度目の火災でもう営業を続けられないかもしれないと思うほど落ち込んだが、前掛けにパワーをもらい、また頑張ろうという気持ちになれました」と感謝していた。

 江戸時代に生まれた小倉織は機械生産の波に押されて昭和初期に一度途絶え、約40年前に復活した歴史がある。築城さんは「旦過市場もきっと再生できる明日があると信じて、できることをやっていきたい」と話した。


advertisement

この記事をシェアする

  • テアトルアカデミー
  • 読売新聞 購読の申し込み
  • 西部読売育英奨学会 よみいく
  • ささっとーも読める読売新聞オンラインアプリのご紹介
  • 読売旅行 行くばい!よか旅