「春日原ベース」ゆかりの復刻バーガー 9月10日イベントで販売

春日原ベースゆかりの復刻バーガーをPRする中野さん

 太平洋戦争後に、現在の福岡県春日市と大野城市にまたがる広大な地域に整備された米軍将兵の居住区域「春日原ベース」。50年前の1972年に返還されるまで大勢の米国人が生活していた地域の歴史に目を向けてもらおうと、春日市の市民グループが春日原ベースゆかりのハンバーガーを復刻した。9月10日に同市で開かれるイベントで販売する。

 春日原ベースは住宅だけでなく、スーパーや飲食店、銀行、映画館、ボウリング場などを備えていた。ベース外にも米軍人向けの「米軍ハウス」が建てられ、ピーク時には周辺を含めて約1万人が暮らしたとされる。

 ハンバーガーの復刻に取り組んだのは、米軍ハウスの調査や保存などに向けて活動する市民グループ「春日ベース・ハウスの会」。代表を務める1級建築士、中野秀孝さんらが「基地の街だった歴史を掘り起こして伝えていこう」と2014年に発足させた。現在、公務員や自営業者ら17人が所属する。

ベースを象徴する食べ物

 ベースで働いていた日本人従業員らの聞き取り調査を進める中で、ベース内や周辺の飲食店で、当時は珍しかったハンバーガーが普通に食べられていたことがわかり、ベースを象徴する食べ物として復刻を試みた。

 当時を知る人たちの話に基づいてレシピを復元し、ベース内で食べられていたものを「春日ベースバーガー」、ベース外で販売されていたものを「白木原バーガー」と名付けた。大きめのバンズに肉厚のパティやタマネギ、トマト、ピクルスなどを挟み、チーズやマヨネーズなどを変えて2種類の味を再現したという。

 10日に春日市の西鉄春日原駅西口で開かれるイベント「春日BALLOONフェスタ」にキッチンカーを出店して午前10時から販売。売り切れ次第終了する。

 中野さんは「当時の春日の人にとって、アメリカの豊かさを感じさせる食べ物だったのだと思う。復刻版のバーガーを食べて、アメリカと関わりが深かった地域の歴史に思いをはせてほしい」と話している。


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