柳川・御花で「能」を鑑賞 月1回の限定プラン

2021年12月に御花の能舞台で行われたモニター向け公演(御花提供)

一般公演は14年ぶり

 福岡県柳川市の柳川藩主立花邸御花(立花千月香社長)は、立花家で継承されてきた「喜多流」の能を鑑賞できる宿泊や食事付きプランを企画した。9月から11月まで毎月1回の限定プランで、御花での一般向けの能の公演は約14年ぶりという。11月には旧久留米藩主・有馬家との旧大名家同士によるコラボ企画も予定している。

 能は大名家にとって武家文化を表す大切な儀式で、柳川藩主だった立花家も代々、喜多流の能を守ってきた。多くの能面や装束が残っており、殿様の屋敷だった御花の大広間(約100畳)の畳の下に能舞台がある。かつては年に1回ほど公演が行われていたが、2008年5月を最後に途絶えていた。

 復活するきっかけになったのは、御花が提案した事業が昨年6月、訪日外国人旅行者を念頭にした文化庁の「上質な観光サービスを求める旅行者の訪日等の促進に向けた文化資源の高付加価値化促進事業」に採択されたことだった。立花家の歴史に基づく体験を提供する様々な企画をモニター向けに開発する中で、特に能が持つ文化的価値の高さに着目した。

 9月の公演は27日に「『能』と『食』を愉(たの)しむ会」として開催。食事付きプラン(3万3000円から)と宿泊プラン(2食付きで7万1315円から)があり、定員40人。10月19日は「『狂言』を体感する会」で、宿泊プラン(2食付きで9万3315円から)のみ。定員20人。

旧大名家同士のコラボも

 有馬家とのコラボ企画は、11月8日午後5~9時に開催予定。2021年は初代久留米藩主・有馬豊氏の入城400年、立花宗茂の柳川再入城400年と両家にとって節目の年にあたり、ともに喜多流の能を継承してきた旧大名家でもあることから実現した。

 久留米藩に伝わる能の公演に加え、有馬家と立花家の現当主によるトークイベントや立花家史料館長の講演などを予定している。食事付きプラン(3万3000円から)と宿泊プラン(2食付きで7万1315円から)で定員100人。

 御花は「殿様の屋敷だった建物に残る能舞台は通常の能舞台とは違い、大名家のたしなみをより間近に感じてもらえると思う。非日常の感動を提供したい」としている。予約や問い合わせは御花(0944-73-2189)へ。


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