北九州市の劇団「ブルーエゴナク」結成10周年

意欲的な創作に取り組む穴迫代表(ブルーエゴナク提供)

 北九州市を拠点とする劇団「ブルーエゴナク」の結成が今年、10周年を迎えた。せりふなどに音楽的要素を生かした独自の劇世界が全国で高い評価を受けており、記念公演として北九州芸術劇場で10月7~9日に新作「バスはどこにも行かないで」を上演する。

独自の劇世界 全国で高い評価

 ブルーエゴナクは2012年、代表の穴迫信一さん(32)を中心に結成。旗揚げ当初からほぼ毎年、京都市で滞在制作を行うなど、北九州市にとどまらない活躍を続けてきた。コロナ禍で上演できない時期には音声のみによる連作を配信するなど意欲的な創作に取り組んでいる。

 20年からは芸術家を支援するセゾン文化財団(東京)の支援対象に穴迫さんが採択されたほか、22年には京都市の劇場「THEATRE E9 KYOTO」が無償で劇場や稽古場を提供するアソシエイトアーティストに選ばれた。

 同劇場のあごうさとし芸術監督は「いい意味での複雑さがあり、通り一遍のエンターテインメントとは一線を画している。ヒップホップなどの音楽的感性をいかした独自性も近年さらにブラッシュアップされている」と評価している。

芸術劇場で10月7~9日記念公演

 今作は、架空の地方都市を舞台に、死んでしまった女性・ピアスが一時的によみがえり、人生のやり直しに奔走しながら自らの死と向き合うストーリー。穴迫さんは「喪失と修復がテーマ。コロナ禍や戦争で多くの人が亡くなる中で見落としがちな死の痛みについて考えたかった」と話している。

 前売りは一般3000円、24歳以下2500円で当日は500円増。高校生以下はいずれも1000円。問い合わせはブルーエゴナク(090-6299-5590)へ。


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