「希望のまち」へ夢膨らむ 「抱樸」が整備概要を公表

「希望のまち」の建物のイメージ図(提供:手塚建築研究所)

 NPO法人「抱樸(ほうぼく)」(北九州市)は11月7日、特定危険指定暴力団工藤会の旧本部事務所跡地(同市小倉北区)に整備を計画している福祉拠点「希望のまち」の概要と、今後のスケジュールを公表した。地域住民が利用できるホールなどを整備する予定で、抱樸では建設のための寄付を募っている。

ホールなどを地域に開放

 希望のまちは、抱樸が2024年10月の開所を目指す4階建ての施設。1階には間仕切りのない約1000平方メートルの大ホールを整備し、地域住民に開放するほか、コンサートや身寄りのない人の葬式などが行えるようにする。また、本格的なカフェレストランや、家具の修理や販売を行うスペース、様々な悩み事の相談所も設ける。


1階部分のイメージ(提供:手塚建築研究所)


 2階には事務所や相談室のほか、DV(配偶者や恋人からの暴力)の被害者らが緊急避難できるシェルター5室も整備。3、4階は生活保護受給者向けの救護施設として、1室10平方メートル以上の個室を計50室設ける。地震や台風などの災害時には、地域住民の避難所として開放するという。


 今後、社会福祉法人「抱樸」を新たに設立し、24年に着工する計画。建築事業費は10億円が見込まれ、うち3億円について寄付を募っている。既に1億円余りが集まっており、市も財政支援のためのクラウドファンディングで寄付を受け付けている。


建設予定地で構想を語る奥田理事長

 抱樸の奥田知志理事長(59)は「市民の手で、『怖いまち』から『希望のまち』をつくれるかが勝負だ。日常を一緒に過ごせて、福祉施設や相談場所もある間口の広い場所にしていきたい」と語った。


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