福津で25、26日に竜王戦 4年ぶり開催へ高まる期待

 第35期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)の第5局が11月25、26日、福岡県福津市の宮地嶽神社で行われる。3連勝で初防衛に王手をかけた藤井聡太竜王(20)に、広瀬章人八段(35)が挑む。第31期以来4年ぶりの福津対局に、将棋ファンや関係者の期待が高まる。


対局が行われる宮地嶽神社の貴賓室

大盤解説会 全国から応募

 最高棋戦を迎える地元では、市、ひかりのみちDMO福津、ふくつ観光協会、市商工会、日本将棋連盟県支部連合会などで福津対局実行委員会をつくり、準備を進めてきた。

 26日に市中央公民館で行われる大盤解説会には、450人の募集に対し、北海道や東京都、神奈川、兵庫県など全国から900人分の応募があった。実行委は枠を五つ増やし、抽選で当選者を決定した。

 開催地に名乗りを上げた原崎智仁市長は「定員の倍の応募は、関心の高さの表れ。棋士に安心して挑んでもらえるよう、受け入れ態勢を整えたい」と言い、「竜王戦の開催には、数字では測れない効果がある」と、市の魅力発信や知名度向上、地域経済の活性化などにも期待する。

年に数回しか使われない貴賓室で

 対局の場となるのは、4年前と同じ宮地嶽神社貴賓室。10畳と8畳の二間があり、10畳の間で行われる。年に数回しか使われない部屋で、対局を前に畳が入れ替えられた。

 実行委名誉顧問を務める浄見譲宮司は「(4年前に続いて福津を訪れる)広瀬さんとはご縁で結ばれていると感じている。良い勝負をしてもらうのが一番の願い。勝利の女神があっちに行ったりこっちに来たりするような、ドキドキわくわくする対局を期待している」と語る。

「勝負めし」にも熱視線

 勝負の行方や対局内容と共に注目を集めるのが、棋士が口にする昼食と茶菓だ。

 担当するひかりのみちDMO福津では、竜王戦用のメニューはあえて作らず、市内の飲食店がフェアで提供しているメニューなどの中から、昼食を「勝負めし」、茶菓を「勝負おやつ」としてそれぞれ10品、飲み物の「勝負ドリンク」7品の候補を用意した。前夜祭が行われる24日に両棋士に提示し、選んでもらう。


「勝負めし」「勝負おやつ」の候補

 中村留美常務理事は「自然が豊かな福津には、おいしいものがふんだんにある。集大成と言えるものばかりなので、福津の日常を味わってもらいたい」という。

 候補の27品は、福津対局のホームページや、パンフレット「竜王戦 福津の勝負めし」(A4判4ページ)で公開している。パンフレットは、ふくつ観光協会や市まちおこしセンター「津屋崎千軒なごみ」などで入手できる。


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