大牟田・歴木中に「企画賞」 全国PTA広報紙コンクール

 福岡県の大牟田市立歴木(くぬぎ)中のPTA広報紙「くぬぎ」が、今年度の全国小・中学校PTA広報紙コンクールで企画賞を受賞した。コロナ禍に関する生徒へのアンケート結果や通学路の危険箇所マップを、イラストや写真を使って分かりやすく紹介するなど優れた企画力が評価された。PTAの岩田香織・広報委員長は「コロナ禍で行事に参加する機会が減った保護者に少しでも学校のことを伝えたかった」と話している。


コロナ禍での生活や通学路の危険箇所を特集したPTA広報紙

 くぬぎは、岩田さんら7人の保護者でつくる広報委員会が作成し、年3回、学期末に発行している。2021年度はコロナ禍で委員が集まって検討会議を開くことができず、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で意見交換しながら企画を練った。

コロナ禍 生徒の声 伝える

 コロナ禍で普段できることができない状況が続く中、生徒が抱える思いを伝えようと、アンケートを行った。生徒たちは「ストレスに感じていることは?」との質問には、「友人らと気楽に遊びにくくなった」(125人)、「家族で外出する機会が減った」(87人)など、「心配なことは?」との問いには「学校生活の思い出の減少」(77人)、「学力の低下」(66人)などと回答。約240人の声を紙上で特集した。

 アンケートをまとめた岩田さんは「胸が締め付けられる声が多かった。取りこぼさないようできるだけ多くの声を載せた」と話す。

危険箇所マップ 千葉県の死傷事故受け

 通学路の危険箇所マップは、21年6月に千葉県で下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、5人が死傷した事故を受けて企画した。学校が調べた危険箇所を委員が実際に訪れ、現場の写真を撮影。マップには写真とともに「スピードを下げない車もいる」などのコメントを添えた。

 市教委によると、全国小・中学校PTA広報紙コンクールには3345点の応募があり、「関心の高いテーマについて、イラストを使って分かりやすくまとめている」などと評価された。企画賞は、これまで同コンクールに応募した市内の小中学校では最高賞という。

 歴木中PTAの小川正希会長や岩田さんらが昨年12月、市役所を訪れ、谷本理佐教育長に受賞を報告。谷本教育長は「PTAで危険箇所を把握し、保護者に伝える姿勢がとても素晴らしい」とたたえた。


advertisement

この記事をシェアする