糸島の猫「もんた」人気爆発 ほのぼの暮らし「癒される」

 福岡県糸島市の山あいで暮らす雑種の雄猫「もんた」が、貫禄あるたたずまいと愛らしさから、SNSで話題となっている。生まれつき甲状腺などに疾患を抱えるが、ほのぼのとした暮らしを記録するツイッターのフォロワーは10万人を超える人気ぶり。昨秋には市の観光大使に就任し、暮らしぶりを通じて糸島の魅力を伝えている。

母親とはぐれた3歳の保護猫

 「草1本お持ち帰り」。こんなつぶやきとともに、ひげに草をつけたまま、散歩から帰ってくるもんたの姿がツイッターに更新されると、一気に拡散された。「いいね」の数は1万9000件に。「癒やされる」「かわいすぎる」「落とさずあるけるもんちゃんはすごい」といったコメントが相次いだ。


糸島観光大使に就任した「もんた」


 現在3歳のもんたは、2019年8月頃に生まれたとみられ、母猫とはぐれて取り残されているところを保護された。同10月に保護猫の譲渡会で、現在の飼い主である糸島市の男性に引き取られた。「独特な目つきと表情に一目ぼれ」し、見た目や雰囲気から、もんたと名付けたという。


 飼い始めて約1年後、甲状腺のホルモン分泌機能が低く、腎臓にも異常があることがわかった。その影響もあってか、他の猫よりも一回りほど小さく、動くスピードもゆっくりだ。

Twitterフォロワー10万人超

 そうした日々を記録するつもりで、男性が、もんたがゆっくりと散歩する様子や居間でくつろぐ姿をツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿すると、愛らしい表情やしぐさにファンが増えていった。人気に火を付けたのは「思い出に素敵な写真をと思って撮ったらこれよ」という言葉を添えた20年11月の投稿。貫禄たっぷりの表情を捉えた写真で、「奇跡の一枚」「脳裏に焼き付いて離れないお顔」などと大きな反響を呼んだ。


貫禄のある表情を見せるもんた。ツイッターに投稿され、話題を集めた(提供写真)


 ほかにも木彫りの熊を思わせるたたずまいや、飼い主の男性を二度見する姿などが「かわいい」と評判だ。通院や投薬での治療を続けているが、体調が安定している時は大好きな散歩を欠かさず、飼い主の男性に見守られる中、自然豊かな自宅の庭を自由気ままに散策する姿を公開している。

 人気に注目した市は、昨年3月に広報誌の表紙に起用。9月には動物として初めて、糸島観光大使に任命した。市ブランド政策課の担当者は「もんたのゆっくりとした暮らしぶりは、時間が穏やかに流れる糸島生活の魅力そのものだと思った」と起用した理由を説明する。

 もんたは一時期体調を崩していたが、今は元気になって、散歩の様子などを発信しており、飼い主の男性は「糸島に興味を持ってもらえる人が増えたらうれしい」と話している。動画などはツイッター「もんたの日常」から視聴できる。


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