脱!「PR苦手」 直方市が観光動画を制作へ

 福岡県直方市は交流人口の拡大を目指し、観光プロモーション動画の制作に乗り出す。監修するのは、注目を集めた大分県別府市のPR動画「湯~園地(ゆうえんち)計画」を手がけたサウンドデザイナー・清川進也さん(46)だ。

交流人口増へ「理想のまち」表現


動画制作に向けた説明会に出席した清川さん(右端)と出演者ら

 関係者によると、動画はJR直方駅に降り立った女性の視点で、直方市に望む「理想のまち」を表現していく。1分30秒~2分間に編集し、4月下旬に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する予定だ。出演するのは市内在住または勤務のJR職員や高校教諭、大学生、飲食店主ら十数人。撮影は同4~6日、市内各所で行われる。

 撮影に先立って3月7日、出演者を対象にした説明会が市役所で行われた。清川さんは「市民が願う直方の未来像を描く」と説明。遠賀川河川敷でチューリップが咲き誇るなど市内に根付く“花文化”や、地元の伝統文化を掛け合わせた内容にする方針を示した。

 同席した大塚進弘市長は「市は宣伝下手であり、観光PRも課題だった。笑顔で楽しく撮影し、愛着のわく動画にしてほしい」と出演者らに呼びかけた。

別府「湯~園地」仕掛け人が監修

 架空の遊園地が舞台になった別府市のPR動画は、2016年11月に公開。100万回再生されたら、温泉と遊園地が一体化した「湯~園地計画」を実現すると呼びかけ、4日目で100万回を突破した。現在の再生回数は590万回を超えている。

 清川さんは取材に対し、「別府市と違って観光地ではない直方を広くPRするには、まずは市民のマインドを変えていく必要がある」と指摘。「動画はある意味では、市民向けのものになっていく」と語った。

 市は観光資源を生かし、交流人口の拡大を図ろうと昨年3月、初めて「市観光基本計画」を策定。その過程で観光関係者や市民らでつくる「観光まちづくり交流会」に意見を募ったところ、市の魅力を発信する動画制作のアイデアが寄せられ、計画に盛り込んでいた。


advertisement

この記事をシェアする

  • 季刊誌SQUARE
  • テアトルアカデミー
  • 読売新聞 購読の申し込み
  • 西部読売育英奨学会 よみいく
  • ささっとーも読める読売新聞オンラインアプリのご紹介
  • 読売旅行 行くばい!よか旅