【宮崎】芳醇な香り 希少マンゴー「パルメロ」販売に力

パルメロを育てるハウスで作業する鬼塚さん(右)ら(奥田商店提供)

 宮崎市内の一部のマンゴー農家らが「パルメロ」と名付けた独自ブランドのマンゴーの栽培、販売に力を入れている。国内で流通する主な品種と遺伝子型が異なる希少性の高いマンゴーとしており、今年から同市のふるさと納税返礼品にも選ばれている。

 生産者の1人の鬼塚高幸さん(宮崎市)によると、パルメロは鬼塚さんが2000年代前半、海外からマンゴーの苗木を取り寄せた際に含まれていた苗木がルーツ。育ててみると、ブランドマンゴー「太陽のタマゴ」などで知られるアーウィン種とは少し形の異なるマンゴーが実った。先端部分が細く、突起のようになっており、キャラメルのような芳醇(ほうじゅん)な香りがあった。繊維が少なく口当たりもよかった。

 鬼塚さんはその後、商業用に栽培できるか試行錯誤。根気強く続け、少しずつ育て方がわかってきた。13年頃からは「自分のハウスだけで栽培しても広がらない」と、知り合いの農家とも連携して少しずつ栽培する量を増やしていった。14年には連携する農家とブランド名を「パルメロ」と決め、翌年頃からは関西の市場などでも流通するようになった。ブランド名は艶やかさをイメージしたパール(真珠)と、芳醇を示す英語のメローを合わせたという。

 並行してマンゴーに詳しい宮崎大農学部に遺伝子型の調査を依頼。国内で流通するマンゴーと遺伝子型が一致しないことが判明した。

 パルメロは昨年、商標登録し、現在は鬼塚さんら宮崎県内の農家6戸が計約30アールで栽培。昨年は約1000玉をインターネットなどで販売して完売した。今年はインターネットなどで春から9月中旬頃にかけ、計約2000玉を出荷する予定で、東京の百貨店でも取り扱われている。価格は2、3玉入り(計900グラム以上)税込み1万800円など。

 鬼塚さんは「宮崎の新たな魅力にしたい。多くの方に食べてもらって感動してほしい」と話している。

 購入や問い合わせは販売を手がける奥田商店の専用サイトから。


advertisement