【山口】岩国「海ノ民話のまち」認定 伝承紹介のアニメ制作へ

認定証を手にする福田市長(左)と柴田プロデューサー

 世界文化遺産・厳島神社(広島県廿日市市)の祭神「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」にまつわる伝承が残る山口県岩国市が、海に関する民話などを後世に語り継ぐ「海ノ民話のまちプロジェクト」の「海ノ民話のまち」に認定された。今後、伝承を紹介するアニメ作品が制作される。市は地域活性化や故郷への誇りにつながると、歓迎している。

 日本財団が2018年から行っている「海と日本プロジェクト」の一環。毎年、海にまつわる民話などが残る自治体を認定している。21年度までに27地域が認定され、今年度は市を含む15地域が選ばれた。

 市杵島姫命は、海の安全をつかさどる女神。市内には、女神が立ち寄った際、松の木に衣をかけたことに由来して「装束」という地名ができたといった伝説が残る。

 海ノ民話のまちプロジェクトでは年内にも、市内各地のゆかりの地名や、厳島神社創建を巡る寓話(ぐうわ)などを紹介するアニメを完成させる予定で、子供たちを対象にした上映会も予定している。

 市役所で7月26日、プロジェクトの柴田英知プロデューサーから福田良彦市長に認定証が贈られた。アニメ制作の総指揮を執る、アニメ制作会社社長の沼田かずみさんもオンラインで参加し、「手がけてきた民話の中でも、みんなが見たくなる話だ」と述べた。福田市長は「郷土愛の醸成や地域活性化に期待したい」と話していた。


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