【熊本】熊大に漫画研究センター 国公立大で初
国際的な拠点目指す
熊本大は10月5日、日本の漫画やアニメを現代の文化資源と位置づけ、国際的な研究拠点を目指す「文学部付属国際マンガ学教育研究センター」を設置したと発表した。熊本県内にある漫画に関連する施設同士の連携を進め、産官学による「マンガ県くまもと」構想で中心的な役割となることを目指す。
国公立大で漫画を研究するセンターを設置するのは初めてという。センターは大学の黒髪北地区(熊本市)に1日付で設置され、教員や研究員10人を配置した。漫画やアニメ、ゲームを研究資料として収蔵する。国内外への研究成果の発信や人材育成を通じ、地域の活性化にもつなげる。
熊本大によると、劣化しやすい漫画を研究するため、文化庁の事業と連携して本を集め、大学でも独自に一般読者から寄贈を募る。来年度から大学院で修士課程が始まり、2025年度にも博士課程をつくる予定。
「観光資源としての活用も」
県内の合志マンガミュージアム(合志市)や湯前まんが美術館(湯前町)といった施設に、漫画を分類して置く。県立高森高(高森町)に来年度新設される「マンガ学科」とも連携する方針だ。
水元豊文・文学部長は「漫画研究の拠点となり、漫画を通して県内の観光資源としての活用ができればよい」と語った。