【山口】SDGsへ苗木250本植樹 児童ら参加「未来の森」

 読売新聞西部本社とKRY山口放送は10月21日、山口市徳地地域の山林の一角(0.1ヘクタール)に、杉やヒノキなどの苗木約250本を植樹した。SDGs(持続可能な開発目標)の理念を子どもたちに伝える狙いで、二酸化炭素(CO2)吸収能力の高い樹種を選んだ。


植樹する読売新聞西部本社の国松社長(右から2人目)ら(21日、山口市で)

 西部本社などが取り組む「九州・山口 未来の森~みんなで学ぼうSDGsプロジェクト」の一環。植樹式には、西部本社の国松徹社長やKRYの林延吉社長、伊藤和貴・山口市長、地元の市立中央小6年生14人が参加した。

 国松社長は「250本の木が成長すると、10年間で約7.5トンのCO2を吸収する。成長を楽しみにしてほしい」とあいさつ。林社長は「今日の体験を基に、自分がSDGsにどのように取り組めるか考えてほしい」、伊藤市長は「徳地の森を守っていく思いを込めて植樹してほしい」と呼びかけた。その後、参加者はスコップで地面を掘り、苗木を丁寧に植えた。

植樹した児童「自分なりにエコ活動」

 植樹イベントに参加した中央小6年の14人は、自分たちの「約30年後の未来」について発表し、木々の成長に将来を重ね合わせながら、苗木を植えた。

 「看護師になってみんなを元気にしたい」「笑顔あふれる保育士になりたい」「電子系の仕事に就き、成功したい」。植樹式では、子どもたちが思い思いの夢を語った。物理や化学の研究者を目指している男子児童(12)は「未来に自然を残せるよう、自分なりにエコ活動を頑張りたい」と力を込めた。

 この日、植えたのは杉やアカマツ、ヒノキの約250本。参加した女子児童(12)は「たくさんCO2を吸って空気をきれいにしてほしい。大人になって、クラスのみんなと見に来たい」と笑みを見せた。

重源上人も森林活用 逸話残る

 山口市徳地地域には、平安時代末期に焼失した奈良・東大寺の再建を任された重源(ちょうげん)上人(1121~1206年)の逸話が伝わる。地元では、豊かな森林資源を活用した先人の遺徳を、今も大切に語り継いでいる。


重源上人の像

 中国で土木建築技術を学んだ重源は、61歳で東大寺再建の総責任者「大勧進(だいかんじん)」を任じられた。再建に使う木材を徳地一帯から調達し、佐波川を使って瀬戸内海まで運ばせたとされる。

 佐波川沿いには重源上人像が立つ。中央小の末次弘幸校長は「実際に山林に足を運ぶことで、授業で学んだ重源上人の功績をイメージしやすくなったと思う」と語った。


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