【山口】「チョコの聖地」山口市を蒸し菓子で全国に発信
チョコレート菓子への年間支出額(1世帯当たり)が全国トップの山口市を盛り上げようと、和洋菓子店「果子乃季」を展開するあさひ製菓(山口県柳井市)が、高級チョコで知られる「ゴディバ」の日本法人(東京)と共同で、チョコ味の蒸し菓子を開発した。全国のゴディバ店舗で順次発売し、市内では11月11日から山口井筒屋で先行販売する。関係者は「『チョコの聖地』を全国に広めてほしい」と期待している。
新商品は、カステラ生地でクリームを包んだ果子乃季の看板商品「月でひろった卵」をベースに開発。ココア生地に、ゴディバ監修のベルギー産チョコクリームを閉じ込めた。濃厚なチョコの味わいが特徴の「ガナッシュ」と、爽やかな香りが漂う「夏みかん」の2種類で、昨年12月に開発を始め、完成までに約10か月かかったという。
11月10日、完成したばかりの新商品を市役所でお披露目した。ゴディバジャパンの石村良蔵・執行役員営業本部長は「山口の魅力を凝縮した逸品で、全国発信するのに役立ってくれるはずだ」と胸を張る。
年間支出額 年間トップ
総務省の家計調査によると、山口市の1世帯当たりのチョコ支出額は2018年に全国1位、チョコ菓子も、19~21年の平均支出額が日本一だった。
20年からチョコ関連イベントを開いている山口商工会議所(山口市)が、両社の仲を取り持った。昨年11月、会場を訪れたゴディバの営業担当者に商議所があさひ製菓を紹介。商品開発の企画が持ち上がった。
チョコの支出額が高い理由ははっきりしないが、あさひ製菓の坪野恒幸社長は「ういろうに代表されるように、甘味を愛する土壌があるのかもしれない」と推測する。
山口井筒屋で先行販売
新商品は11日の山口井筒屋をスタートに、19日以降、全国のゴディバ店舗で発売される。2種類とも1個399円。11~13日は市中心商店街などで関連イベントも開かれる。商議所の田中真樹・SDGs特任委員長役員は「地域を活気づけるため、山口を『チョコの聖地』として定着させたい」と意気込みを語った。
チョコレート菓子の1世帯当たりの年間支出額(円)
1 | 山口市 | 3113 |
2 |
大分市 | 2887 |
3 | 鳥取市 | 2681 |
4 | 高知市 | 2469 |
5 | 金沢市 | 2430 |
※2019~21年の平均