【大分】温泉熱でローストビーフ 日田・天瀬に専門店

 大分県日田市天瀬町、天ヶ瀬温泉の温泉熱を使って調理したローストビーフ丼を提供する「桜滝KITCHEN(キッチン)」が2022年12月22日、温泉街の観光スポット、桜滝近くにオープンした。同市の地域おこし協力隊として、九州豪雨で被災した地域の復旧・復興を支えていた吉良将太さん(34)が開発を手がけており、「地元の素材を生かし、天ヶ瀬ブランドの価値を高めていきたい」と話している。


温泉熱を利用した「ローストビーフ丼」を開発した吉良さん


元地域協力隊が開発 

 吉良さんは同市出身。昭和学園高卒業後、東京、福岡のフレンチ、イタリアンレストランで修業。地元に帰郷後、2019年7月から3年間、協力隊員を務めた。20年7月に起きた九州豪雨で地域が大きな被害を受けると、料理人の腕前を生かし、災害後は炊き出しの指導、総菜の移動販売などを行ってきた。

 温泉街にある色々な温度の泉源の中に、ローストビーフの低温調理に適したものを見つけ、温泉の新しい活用方法として取り組んだ。

 九州産の国産牛に下味を付け、軽く表面を焼いた後、真空パックし、56度の地元で採取した温泉に約30分、じっくり温め調理する。温泉卵やシイタケ、タマネギのペースト、ワサビが添えられている。21年、試作品を作ったところ、「やわらかくておいしい」と好評だったため、コンテナを利用した店舗(カウンター席8席)を開設した。

豪雨被災地にぎわい創出 

 「実店舗だけでなく、仕出し用や名物弁当として販売するなど、復興途中の温泉街に、新たなにぎわいを生む取り組みにしていきたい」と意欲的だ。

 メニューは国産和牛ローストビーフ丼(税込み2800円)、赤身を使った「ローストビーフ丼」(同1800円)など。営業は木曜から日曜の午前11時~午後5時。問い合わせは吉良さん(080-5282-3857)へ。


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