【鹿児島】ふやせ利用客!JR指宿枕崎線と肥薩線で企画

 鹿児島県やJR沿線自治体でつくる県鉄道整備促進協議会は、JRの指宿枕崎線と肥薩線の観光利用の促進に力を入れている。両線の往復切符と付近の店舗などで利用できる商品券のセット「かごしま満喫きっぷ」を販売しているほか、謎解きイベントも開催中だ。両線とも利用客数の減少が課題となっており、こうした取り組みで観光目的の利用客の増加を目指す。


指宿市内を走る指宿枕崎線の列車

持続可能性を問う声も

 指宿枕崎線は鹿児島中央―枕崎間の87.8キロを、肥薩線は八代(熊本県八代市)―隼人(鹿児島県霧島市)間の124.2キロを結ぶ。

 いずれも利用客数の減少傾向が続いており、JR九州が公表した2021年度の輸送密度(1キロあたりの1日平均利用客数)は、指宿枕崎線の喜入(鹿児島市)―指宿間が1987年度比55%減の1674人、指宿―枕崎間は同74%減の240人。肥薩線の吉松(湧水町)―隼人間は同53%減の518人で、両線とも持続可能性を問う声が上がっている。

 同協議会事務局の県交通政策課によると、両線とも通学客が多いため、輸送密度の向上には、観光利用客の増加が課題だ。そこで観光利用を促そうと、満喫きっぷと謎解きイベントの二つの事業を企画、実施している。

満喫きっぷ/謎解きイベント 

 満喫きっぷは昨年12月から発売。路線内で設定された駅間の往復乗車券に、500円の商品券1~3枚を付け、計1400セットを用意している。商品券は沿線の温泉施設や飲食店などで利用できる。例えば、肥薩線の鹿児島中央―大隅横川(霧島市)間の場合、2260円の往復乗車券に商品券が2枚付いている。

 謎解きイベント「探偵ニャーロックと消えた三つの秘宝」も昨年12月から開催。県内のJRの駅などで配布されている冊子をもとに、両線の設定駅を巡って謎を解き明かす。回答を応募すると、沿線の特産品の詰め合わせセット(5000円相当)が抽選で当たる。

 満喫きっぷは2月27日まで販売し、謎解きイベントは2月末まで実施。こうした事業を行うのは初めてで、県交通政策課は「取り組みを通じて沿線の魅力を知ってもらい、少しでも多くの観光利用につなげたい」としている。


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