【熊本】南阿蘇鉄道 全線つながる 地震被災から約7年

 熊本地震で被災し、一部区間で運休中の第3セクター・南阿蘇鉄道(熊本県高森町)で2月9日、17.7キロの全路線で新設・補修したレールがつながった。架け替えがほぼ完了した第一白川橋梁(きょうりょう)近くの線路で、レール同士をつなぐ最後のボルトが締め込まれた。7月15日の全線運転再開に向け、試運転などの準備が加速する。


架け替えがほぼ完了した第一白川橋梁

 同鉄道は地震で線路に土砂が流入するなどし、立野(南阿蘇村)―高森(高森町)間のうち、立野―長陽(南阿蘇村)間の約1.6キロの線路を新設した。長陽―高森間はレールを補修した。2018年3月に始まった復旧工事は、今年3月末で完了する。

 津留恒誉(つねたか)専務らが9日、締結式で南阿蘇村立野地区の線路でボルトを締め、ハンマーでたたいて緩みがないか点検した。保守点検用の列車を走らせて荷重をかけ、線路の安全性を確認した。


締結式で最後のボルトを締める参加者

 被災から7年近くを経てたどり着いた節目を迎え、津留専務は「感無量。安全で完璧な復活を成し遂げたい」と力強く語った。

 同鉄道は、全線再開と同時にJR豊肥線に乗り入れ、肥後大津駅(大津町)から高森駅まで乗り換えなしで移動できるようになる。観光や通学の利便性向上に期待が高まっている。


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