【鹿児島】島唄とオーケストラ“響演” ほこらしゃ音楽祭

 奄美群島の日本復帰70周年を記念した「ほこらしゃ奄美音楽祭」が2月25日、鹿児島県奄美市の奄美文化センターで開かれた。県と奄美大島5市町村でつくる実行委員会が主催。会場には市民ら約1400人が訪れ、管弦楽と地元の伝統音楽の調べを楽しんだ。

市民ら1400人来場 


六調のリズムに合わせて踊る出演者ら

 オーケストラを交えて演奏し、島唄の文化的な価値と新たな魅力を発信するイベント。NHK大河ドラマ「篤姫」などの音楽を手がけた作曲・編曲家の吉俣良さん(鹿児島市出身)が総合プロデュースを担当した。

 第1部では、この日のためにプロ奏者41人で結成した「ほこらしゃ奄美管弦楽団」が出演し、「フィガロの結婚」、「運命」などを演奏。続く第2部では、地元出身の安原ナスエさんが「むちゃ加那節」、前山真吾さんが「稲すり節」などを披露した。


オーケストラをバックに島唄を歌う城さん

 第3部は、オーケストラと島唄が融合。吉俣さんが編曲したオーケストラの音楽をバックに楠田莉子さん、城(きずき)南海(みなみ)さん、里アンナさんが「よいすら節」など3曲を歌い上げた。会場には荘厳な音色と繊細な裏声が響き渡り、観客を魅了した。

 宴席などで演奏される「六調」の軽快なリズムが鳴り響くと、出演者と観客が思い思いに踊り、手拍子と歓声に包まれながらフィナーレを迎えた。

吉俣さん「いいスタート」

 音楽祭事業は2024年度まで継続する計画。吉俣さんは「いずれは地元の人に受け継いでもらい、音楽祭が続いていくのが目標。思った以上に反応がよく、いいスタートになったと思う」と話した。


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