九州の新しい観光列車「かんぱち・いちろく」 デザインは鹿児島の「IFOO」

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運行に先立ち4月中旬に開かれた「かんぱち・いちろく」の完成披露式典

 JR九州の新たな観光列車「かんぱち・いちろく」が、4月26日から運行を開始しました。デザインを手がけたのは、列車の仕事に初めて携わったという鹿児島市の新興企業「IFOO(イフー)」です。八幡(はちまん)秀樹社長(60)は「地域に愛され、利用客に育まれる列車に」と願っています。

車内は沿線の自然がモチーフ

 かんぱち・いちろくは3両編成(定員60人)で、全席グリーン席。博多(福岡県)―由布院・別府(大分県)間を久大線経由で、約5時間かけて走行します。


完成した「かんぱち・いちろく」

 曜日によって変わる和食やイタリアンなどの2段重が提供され、車窓からゆったりと景色を眺めたり、停車駅で歓迎イベントなどを楽しんだりできます。

 車内のデザインは、沿線の大自然がモチーフ。客席は1、3号車にあり、1号車は火山や温泉を思わせる赤色、3号車は平野部と山間部をイメージさせる緑と青を基調としています。2号車は「ラウンジ杉」と名付けられた共用スペースで、杉の一枚板のカウンターが存在感を放ち、大きな車窓から雄大な景色を望むことができます。


杉の一枚板のカウンターが存在感を放つ「ラウンジ杉」。壁面にはロゴも掲げられている

 運行開始を前に開かれた完成披露式典で、JR九州の古宮洋二社長は、多彩なアートを車内に設置したことなどを挙げて「いろんなことに“挑戦”した列車。本当にすばらしいものができあがった」と手応えを語りました。

列車のデザインは今回初めて

 今回、列車デザインをIFOOに依頼したのも“挑戦”の一つです。

 観光列車をはじめとするJR九州の鉄道関連のデザインは、工業デザイナー・水戸岡鋭治さんが長く担ってきました。古宮社長は「水戸岡先生とは30年以上お付き合いがあり、変わるタイミングが今回になった」と話します。


IFOOやベガハウスなどが入る建物(鹿児島市で)

 IFOOは、創設5年の若い会社です。住宅や民泊施設など建築関連のデザインを中心に事業を展開しており、「列車は初めて」です。

 そのルーツは、八幡社長の父が1986年に設立した会社「徳栄建設」。ハウスメーカーからの請負が中心でしたが、八幡社長が継ぐ頃に良質な木造住宅を手がける独自ブランド「ベガハウス」をスタートして成長。その後、社名もベガハウスとするなどして事業を軌道に乗せ、「地方創生につながる仕事がしたい」という長年の思いをかなえるため2019年に新設したのがIFOOです。


IFOOが手がけた「なかまの家」。内部にはイベントが開けるスペースも設けられている

 社名は威風堂々に由来。個人宅のリノベーションのほか、馬小屋や石蔵などがあった古民家をオフィスやイベントスペースなどに改装した「なかまの家」(鹿児島市)、昔ながらの大工の技術を駆使して新築した高級民泊「萌蘖(ほうげつ)」(同)などを手がけてきました。


これまでの歩みを語る八幡社長(鹿児島市で)

 JR九州との縁が生まれたのは、同社の地域活性化プロジェクト「九州ドリームステーション」です。プロジェクトの一環で、駅の遊休スペースなどを活用して地域のにぎわいづくりに取り組む事業者「にぎわいパートナー」として、IFOOは初年度の22年度に応募し、4社のうち一つとして選ばれました。


リニューアルオープンした霧島神宮駅(九州観光機構「チャンネル九州塾」より)

 これを受けてIFOOは23年5月から、日豊線・霧島神宮駅前で定期的にマルシェを開催。駅舎のリニューアルも“手弁当”で進め、地元の杉材をふんだんに使った新駅舎が24年3月に誕生。同駅前は八幡社長が幼少期に住んでいたこともあって思いはひとしおで、古い石蔵をカフェ・バーとして活用し、夏にはサウナもオープン予定です。


 八幡社長は「駅を生かして①立ち寄る、②目的地として訪れる、③滞在する――という3段階で観光地として発展させ、町へのUIJターンを増やして地域を再生したい」と展望を描きます。

地域と利用客に愛されるよう

 こうした姿勢を、JR九州側は高く評価。同社の古宮社長はメディア各社の取材に「ものすごく志が同じで、地域のことを非常に大事にされている」と絶賛。列車について「洗練されていて、(従来とは)違うイメージの素晴らしい車両ができあがった」と語りました。


完成披露式典で、詰めかけたメディア関係者の取材に応じる古宮社長ら

 八幡社長によると、デザインができあがるまでには、外観だけで何十種類もの案をつくり、古宮社長も交えて議論を重ねたそうです。

 八幡社長は「列車を手がけるのは初めてで重いプレッシャーがあったが、技術者の『大変だが達成感がたまらない』という声に触れて『妥協せず、いいものを一生懸命つくろう』という思いが芽生えた」と今回の仕事のエピソードを披露しました。


式典であいさつする八幡社長(右)と古宮社長(中央)

 「(JR九州の従来の車両イメージを)はじめは非常に意識したが、古宮社長に『IFOOらしい列車をつくってください。思い切ってやってください』と言われ、肩の荷が下りた」とも言及。「多くの方々の知恵や技術をお借りして立派な列車が完成した。我々を信じて任せていただき、感謝の念に堪えない」と語りました。


九州観光の盛り上げ役として期待される、かんぱち・いちろく

 かんぱち・いちろくは、多くの人の想いとともに走り出します。

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