熊本県天草市は、若者が魅力を感じる新産業の創出に力を入れています。ゲームやアニメといったコンテンツ産業の誘致、クリエイティブ人材の育成などに取り組んでくれる地域おこし協力隊を12月20日まで募集しています。着任は2025年度の予定です。「御所浦恐竜の島博物館」のリニューアルオープンで盛り上がりをみせる御所浦地域でも協力隊を募集中。島の活性化や観光客らの移動手段の構築などが主な任務になります。地域の人たちと一緒に天草市を元気にする仕事に挑戦してみませんか。
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■ 天草はこんなにいい所 ■ 天草市は美しい海に囲まれ、九州本土とは「天草五橋」で結ばれています。年間を通して船上からのイルカウォッチングを楽しめるほか、潜伏キリシタンの歴史を伝える世界文化遺産「天草の﨑津集落」、白亜紀の地層から恐竜の化石が発見された御所浦島などがあり、豊かな自然と歴史を感じられる場所です。
コンテンツ産業で島おこし
”デジタルアートの島”へ
若者が地元に残って就職できたり、Uターンできたりする環境をつくろうと、天草市はゲームやアニメ、映像制作などに関連する事業を集中的に進めています。「クリエイティブ人材の育成」「クリエイター誘致」「ゲーム・アニメ制作会社などの誘致・集積」「官民合同会社の設立」の4本柱で、目指すは"デジタルアートの島"です。
取り組みに共感し、これまでにコンテンツ事業者5社が市内に進出。クリエイターの移住も実現しています。
市は、オフィスを市内に構えて3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)制作などを手がける会社「ORENDA WORLD(オレンダ ワールド)」(東京都)と官民合同で、23年7月に一般社団法人「デジタルアート天草」を設立。この法人が事業推進の総合的な役割を担っています。
ワクワクを生み出す仲間に
募集中の地域おこし協力隊は、デジタルアート天草を拠点に活動します。CG人材育成講座の企画運営や、企業とクリエイターとの就職マッチング支援、各種CG制作などが協力隊に期待されています。
"デジタルアートの島"は実現に向けて動き出しています。県立天草工業高校では24年4月から、情報技術科でCGを学ぶカリキュラムが始まりました。現役のクリエイターが教える全国的にも珍しいCG授業です。デジタルアート天草の宇津川達郎局長らが講師となって指導し、協力隊も授業のサポートなどを行います。
天草に移住して事業に取り組む宇津川局長は「コンパクトなまちで暮らしやすく、通勤ラッシュと無縁なのもいい」と語ります。市産業政策課の嶋﨑健介主任は「ゲーム・アニメが作れる環境ができ始めている天草で、一緒にワクワクを生み出す仲間になってほしい」とアピールします。
アクションで離島に活力を!
自分のアイデアがかたちに
大小17の島々で構成され、うち御所浦島、牧島、横浦島の3島で計約2300人が暮らす御所浦地域で活動する協力隊員も募っています。
少子高齢化に直面する御所浦地域では、鹿児島県から移住して23年7月に着任した池田皐さん(27)が、離島ライフを楽しみながら空き家問題などの解決に奮闘しています。自身のアイデアをかたちにできることが、協力隊で活動するおもしろさです。
前職は工務店で勤めていた池田さん。島では、築60年以上が経過した空き家を宿泊施設にリフォームする作業を進めています。「建築の知識をいかして自分が島のためにできることを考えました」と池田さんは語ります。
御所浦恐竜の島博物館のリニューアルにより、島内にはにぎわいが生まれています。3月のオープンから10月中旬までに来館者は2万人を超えました。
観光客が飲食を楽しめるようにと、博物館のそばに8月、土日・祝日限定で営業するハンバーガー店「恐竜グルメ倉庫」が誕生。水産物の冷蔵庫だった建物を改修し、池田さんや御所浦地域で活動する県の地域おこし協力隊らも作業を手伝いました。地元でとれたタイをフライにする「タイカツバーガー」などが観光客に人気です。
島外の視点で活性化策を
島を訪れる観光客らにとって交通の利便性は重要な要素。島民にとっても生活の足は欠かせません。島に渡る定期船や海上タクシーなどがあり、観光客らがレンタルして周遊に利用できる小型電気自動車(EV)5台も島内に導入しています。
観光客や移住者を増やすために様々な移動手段を模索していますが、少子高齢化の影響も出始めています。かつて40隻ほどあった海上タクシーは、後継者不足や燃料費高騰などで12隻に減少し、島の交通問題をめぐる状況は厳しくなりつつあります。
そこで、交通の課題改善や観光振興などに島外の人材のアイデアと行動力を必要としています。協力隊を受け入れる天草市御所浦支所まちづくり推進課の鶴岡将さんは御所浦地域の出身。鶴岡さんは「若い人が地域に加わってくれるだけでも活性化につながる。小さな離島だからこそ、新たなアクションで大きく変わる可能性を秘めており、島外からの視点に期待しています」と話します。
島暮らし体験ツアーを企画
御所浦での生活が体験できる「あまくさ暮らし体験ツアー2025」を25年1月17~19日に実施します。2泊3日の日程で、魚さばきや化石採集、伝統木造船「伝馬舟」の櫓(ろ)こぎ、海鮮バーベキューなどを体験。地域住民や先輩移住者との交流も計画しています。
市地域政策課の担当者は「地域おこし協力隊への応募を検討されている人も事前に現地を見ることができるいい機会になると思います」と参加を呼びかけています。
参加費は1人1万円。10人程度を募集し、応募多数の場合は抽選。申し込みは12月25日17時まで、専用フォームで受け付けています。
<移住相談は東京でも>
12月7日(土)に東京ビッグサイトで開催される「JOIN移住・交流&地域おこしフェア2024」に天草市も出展します! 天草市への移住相談に加え、25年度地域おこし協力隊員の募集などについて説明します。都市部にお住まいの移住検討者のみなさまはぜひご参加ください。
イベント名 | JOIN移住・交流&地域おこしフェア2024 |
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開催日時 | 2024年12月7日(土)午前11時~午後5時 |
会場 |
東京ビッグサイト 東7ホール (東京都江東区有明3-11-1) |
出展ブース | A-15(地域政策課・移住相談) A-16(農林整備課・関係人口) |
〈お問い合わせ先〉
天草市 地域振興部 地域政策課
電話:0969-27-6000
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