福岡発"微笑み"のタイへ ノマドも注目する古都・チェンマイ

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チェンマイ北にある首長族の村で、笑顔を見せる少女

 親日で、微笑ほほえみの国として知られるタイ――。日本人旅行者の9割が首都・バンコクを訪れるそうだが、近年はとくに、北部に位置するタイ第二の都市・チェンマイが世界の旅人から注目されているという。

王朝の栄華の面影


豊かな田園地帯が広がる


 チェンマイは、京都と軽井沢それぞれが持つ雰囲気を足して割ったような古都で、「北方のバラ」とも称されている。ミャンマーやラオスにも近く、さまざまな山岳民族との交流の中で、鮮やかな織物や工芸品の技術が発達してきた。


走る車の荷台から見た夕暮れのチェンマイ中心部


 6月、タイ国政府観光庁の企画で、チェンマイを中心にランパーン、プレー、ナーンなどの北部地域を訪ねた。チェンマイへは、福岡空港からの直行便で首都・バンコクに向かい、そこから空路で1時間ほど。福岡市と同じように、空港が街の中心部から近く、車に乗って15分ほどで繁華街に到着した。


モニュメントの間から城壁に囲まれた旧市街が見えた


 13世紀末にランナー王朝が都を移し、約270年にわたって繁栄の歴史を築いたチェンマイ。中心部には大小120の寺院が点在し、周囲約3キロの堀と城壁の跡が、旧市街として王朝の栄華の面影を今に伝える。


おなじみのキャラクターもタイ式のごあいさつ


 かつては王族たちが、また30~40年ほど前までは、バンコクで暮らす人たちの避暑地として人気だった北部地域だが、近年は欧米や日本などから海外への移住先として脚光を浴びている。


"映える"街に活気

 ホスピタリティーの高さや、温和な国民性といったタイの特長が受け入れられていることも理由の一つだが、コロナ禍以降に増えているのは、パソコンを手に世界中を巡りながら、旅先で仕事もこなす「デジタルノマド」たちだ。


旧市街にあるカフェでは、パソコンを広げる女性の姿も見られた


 街なかでは、おしゃれなカフェがあちらこちらで見られ、ネット環境も充実している。寒さが厳しい冬の時期には、タイの温暖な気候が欧米人らに好まれ、インドネシアのバリなどと並び、"ノマドの聖地"として支持されるようになった。


路地を入るとインスタ映えするカフェに出会えた


 近年とくに注目を集めているのは、北西部にあるニマンヘミン通りを挟む洗練されたエリア。インスタ映えするカフェが次々と登場しており、表通りから路地に入ると、店の窓際でパソコンを広げて仕事を進める欧米人らの姿が見られた。


ニマンヘミン通りに面するホテルから


 カフェに長居しても、客に気を使わせないおおらかさがある。訪ねた店では、マンゴーやスイカといった新鮮な果物をふんだんに使ったスイーツを、会話を楽しみながらゆっくりと味わうことができた。


新鮮な果物や、おしゃれな器を彩るスイーツ


無二の体験を求め

 300を超える寺が点在し、歴史的遺産を各地で目にできる古都・チェンマイ。ただ近年は、こうした観光名所を見学するだけでなく、体験型のアクティビティーが海外からの観光客を中心に好評を得ているようだ。


美しい装飾が施されたワット・チェーディー・ルアンの内部


 ホテルを備えたムエタイアカデミー「THE CAMP」では、数か月から1年単位でテレワークをしながら滞在する人が多いという。新美秀哉さんが経営し、7年前のオープン以来、世界72か国の人たちを受け入れてきた。


利用者全員が外国人という「THE CAMP」


 訪れる半数近くは若い女性で、9割は欧米から。デジタルノマドやリモートワーカー、またはムエタイなどタイのソフトパワーに関連する活動に参加する人を対象にした長期滞在ビザもある。日本からのノマドも滞在しており、東京・丸の内の現役OLはテレワークをしながら、朝夕や仕事の合間にトレーニングをしているという。


半数近くが健康志向の女性利用者だという


 1000メートル級の山々に囲まれたチェンマイは、中心部から車で15分も走ると、豊かな田園地帯が広がる。バンポン・ホエラン村は、海外からの観光客らを対象にした体験型のアクティビティーの村として知られるようになった。


地元の女性たちの手ほどきを受けながら


 山岳で暮らしてきた住民たちの村では、たばこ栽培が盛んだ。雨期に入る6月からの農閑期に、地域に伝わるお菓子作りや機織りを旅行者らに教えている。


旅行者と一緒に作ったお菓子を調理する地元の女性


 フランスから訪れた女性は、地元の女性たちに手ほどきを受けながら、糸巻きを体験していた。村の女性は「小さな村だが、こうした文化があることを知ってもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。


糸巻きを初体験するフランスの女性


首長族が暮らす村

 ミャンマーなどとの国境に面するタイ北部の山岳地帯は、さまざまな山岳民族が暮らすエリアでもある。チェンマイ中心部から北へ、車を30分ほど走らせると「首長族の村」がある。一帯で暮らす首長族は、ミャンマーの山岳少数民族「カレン族」系の一部族で、難民としてタイ政府から保護されている。


首長族の女性たちが笑顔で出迎えてくれた


 入村料500バーツ(およそ2200円)を支払って森の中へ入ると、なだらかな山道の両側に露店が並んでいた。路地に目を移すと、高床式の住居のそばで洗濯物を干す様子など、村の日常生活の一端を垣間見ることができた。


路地では彼女たちの日常生活の一端を見ることができる


 首長族の女性たちは、その伝統を守りながら土産用の民芸品を作り、生活の糧にしている。昔ながらの機織り機で織られた織物は、鮮やかな原色が観光客らに人気だ。


顔にペイントする若い女性も多い


 首に巻いた金属のリングは年を追うごとに増え、最終的には5キロほどになるそうだ。その重みで鎖骨の位置が下がり、首が長く見えるのだという。成長に応じて取り換えるが、外さないのが原則とされる。


首に巻かれた金属のリングは外さないのが原則だという


 一族の間では、首が長いほど美しい――といわれる。リングを着ける理由には諸説あり、虎などの猛獣から身を守るため、他の部族からの略奪を防ぐため、厄よけのため、そして美しさを追求するためだという。


首が長いほど美しいとされている


 早ければ3歳頃から首にリングを巻き始めるが、最近では「勉強の邪魔になる」と不便さを嫌がって、途中で外してしまう若者もいるそうだ。


早ければ3歳頃から首にリングをまき始めるという


 土産品店が連なる坂道で、元気いっぱいに駆け回る子どもたちを、大人が温かく見守っていた。村に流れるゆるやかな時間に、どこかほっとする。貴重な出会いに感謝しながら山を下りた。


店のそばで無邪気にボール遊びをする少女



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