読売新聞読者投稿「私の日記から」~飛躍編
2026年は「午(うま)年」。えとにちなんだ馬の力強く前へ進むイメージから、物事が大きく進展する年とされます。読者エッセー欄「私の日記から」では、特別編として「飛躍」をテーマに投稿を募りました。趣味や学びで挑戦を続けたり、夢の実現を目指す子どもを応援したりする3人の作品を紹介します。
ゴスペルで「幸齢者」に
(長崎県川棚町 岸川一枝 77歳)
昨年、日本語で歌う「Jゴスペル」と出会った。朝の情報番組で、声を出したり、曲に合わせてステップを踏んだりするのが「高齢者にも良い」と紹介されていて、興味を持った。
82歳の夫と行ける教室をインターネットで探し、長崎市の教室を見つけて電話をかけた。初心者で年齢のこともあり不安だったが、主宰する女性が「100歳までOKですよ」と優しく歓迎してくれた。
月に1回、車で45分ほどかけて通い、10人ほどの仲間とともに練習に励む。自宅でも、チェロが趣味の夫の演奏に合わせて一緒に歌う。11月には同市のホールで初のコンサートに臨み、ゴスペル調に編曲した「ふるさと」などを披露した。
ゴスペルは、神への祈りの気持ちなどを表現している。歌詞に込められたメッセージは、宗教や信仰が違っても胸に響くものがある。コンサートの感想を聞いたアンケートにも「前向きになれた」とあり、うれしく思った。
幸せに年を重ねる「幸齢者」を目指して、夫と歌い続けていきたい。
教師と学生「二刀流」13年
(大分県中津市 匂坂裕一郎 42歳)
中学校の社会科教師をしながら、通信制の放送大学で学ぶ「二刀流」を13年間続けている。
「心理と教育」「人間と文化」など既に五つのコースを卒業した。今年度は最後の「自然と環境」コースで宇宙や天体、環境保全など自然科学の分野を学んでいる。全コースを修めた人に与えられる「名誉学生」の称号が身近な目標だ。
働きながらの学びは大変で苦労もある。1日15分、寝る前にテキストを開くよう心がけているが、顧問をしている野球部の練習や生徒指導で疲れ、数分でテキストを閉じる日もある。
一方で、知的好奇心が満たされる楽しさもある。得られた知識を授業で子どもたちに話すと、目を輝かせて真剣に聞いてくれた。宮沢賢治の本に出てくる流星群は、自分でさらに図鑑で調べてみた。
今年は大学院の修士課程に進んで、学校教育、とりわけ社会科教育について専門的に学び、研究に挑戦したい。学んだ知識は、学校経営や地域での生涯学習などにも生かせるはずだ。
物事をより深く考える力を子どもたちが身につける手助けをしたい。そのためにも、教師である自分が学ぶ姿勢を見せ続けたい。
保育士志す息子よ、行け!!
(福岡県朝倉市 森山優子 47歳)
高校3年の息子が、春から福岡市の専門学校に進むことが決まった。新たな学びのスタートを切る彼の飛躍を楽しみにしている。
これまで様々な道のりがあった。高校2年のクリスマスイブに地元のうどん店で2人で麺をすすっていた時、「学校を辞めたい」と口を開いた。自由奔放で活発な息子は学校のルールに従えず、反発することも多かった。
当時の担任の先生はとても気にかけてくれていたのだが、3年から通信制高校に転入した。平日はアルバイトを頑張り、週1回の登校日も笑顔で通っている。
卒業後は就職して、私も楽になるだろうと考えていたのに、夏頃になって「進学したい」と言い出し、驚がくした。「保育士になってお世話になった先生たちに恩返ししたい」と言う。息子の決意は固かった。
この冬、推薦入試を突破し、夢に一歩近づいた。看護師である私と同じく、大事な命を預かる仕事を志した息子を全力で応援したい。息子よ、前進あるのみ。行けー!!
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