未知をつなぎ、未来をつくる熊本大学情報融合学環 その魅力に迫る
熊本大学に2024年度に新設された情報融合学環は、文理を越えた学びが特徴だ。また、多彩な知識を探求し、最先端技術に挑戦できることも魅力の一つだ。学環長と各コースの先生にインタビューし、学びの仕組みや将来の可能性に迫った。
文理を超えて
学環長の城本啓介先生は「学生の好奇心を軸に、学びの幅を広げてほしい」と語る。情報融合学環は、DX時代に対応したデータサイエンスやAI人材を育てる新たな学びの場だ。文理の壁を超え、社会を多角的に見つめる力を養う。定員60名の少人数制で、文系出身者も安心して学べる。企業との連携も進み、1年次から現場体験が可能だ。2年次からは総合・半導体の2コースに分かれる。それぞれの魅力を担当先生に聞いた。
総合コース
総合コースでは、データサイエンスを軸に幅広い分野を学べる。農業や医療、経済、行政など、データを活用する多様な現場を想定しながら実践的に学ぶ。工学部ならば、理論や基盤を重視するのに対し、総合コースでは応用や社会とのつながりに重点を置く。専門分野を間近で感じながら、データが社会を動かす力を実感できる学びがここにある。
半導体コース
半導体コースでは、大学構内にクリーンルームを開設し、学生が半導体チップの開発研究を行える環境を備えている。デバイスを開発する研究者から、ツールを研究する専門家まで、指導陣がそろうのも魅力だ。計算機科学の研究を行う長名保範先生は、数理・AI・データサイエンスと半導体分野の融合により、「専門性の高さが進路を狭めるのではなく、むしろ広げてくれる」と語る。「ものづくりの最前線で、未来を創る力を育む場」、それが情報融合学環の半導体コースである
熊本大学情報融合学環は、異なる分野の知を融合し、自ら考え行動できる人材を育てる場である。挑戦できる環境が整い、学生の好奇心と学びが、未来を切り拓く力へとつながっていくだろう。
■ 熊本大学「学生リポート」
読売新聞西部本社が熊本大学情報融合学環で実施した「プレゼンテーション実習」で、学生が取材・執筆した熊本にまつわる記事を掲載します。







