働くことから地域の魅力を深掘り! 宗像・河東中で「SDGs探究」

企画

グループワークを行う生徒たち



「むなかたSDGs探究」

​海を守ろうむなかた実行委員会は、社会課題を自ら発掘し、課題解決に取り組む探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を福岡県宗像市の各中学校で実施しています。豊かで美しい海を次世代に引き継ぐための活動で、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。



 宗像市立河東中学校の2年生は、地域の職場体験で学んだことを踏まえ、地域住民が「あったらいいな」と思うことを考えて、地域の魅力とともに自分たちなりの表現方法で発信することに挑戦しています。生徒たちは9月25日、日の里団地(宗像市)の再生プロジェクトや鐘崎漁港(同)の活性化に取り組む馬込賢太郎さんと、“地域の宝探しカンパニー”「スチームシップ」(長崎県波佐見町)のデザイナーの話を聞いて、グループワークに取り組みました。

目的は地域の人の喜び

 馬込さんは「日の里団地再生プロジェクト」で地域の人と取り組んだ事例を紹介。団地の壁をクライミングができるように改修したことや、誰でも気軽に利用できるコミュニティカフェをオープンしたことなど、実現したアイデアを披露しました。中でも、注目を集めたのが団地の一室に設けたビール醸造所。「日本初の団地ビール」として多くのメディアに取り上げられことを説明した馬込さんは、「ビールを造ったことはあくまで手段。目的は地域の人たちに喜んでもらうこと」と話しました。


取り組み事例を紹介する馬込さん

魅力を深掘りして発信

 地域の特産品を発信する冊子などをデザインしている講師は、地域の“宝”について、「直接足を運び、SNSの評判や口コミも参考にしながら情報を収集し、商品や製品の魅力を深掘りすることで、どのように発信すれば良さが伝わるのかが見えてくる」と、生徒たちに訴えかけました。実際に発信する際のポイントに、➀ターゲット=誰に向けて ➁目的=何のために ③コンセプト=何を伝えたいか――を挙げていました。


魅力発信のポイントを語る講師のデザイナー

「あったらいいな」を考えよう

 2人の講話を聞いた生徒たちは、職場体験先や地域の魅力を掘り下げる学習にとりかかりました。スーパーマーケットで現場の様子を学んだ生徒は「店員さんの笑顔がすてきだった」と回答。続いて、今回の経験を生かし、「あったらいいな」と思う新しい機能や仕掛けを考え、グループで意見を出しながらまとめました。


グループで意見を出し合う様子

 小学校で職場体験に励んだ生徒は「小学生と中学生が関われる機会が少ないので、一緒に集まれるイベントがあるといい」と、アイデアを出していました。生徒たちは今後、グループワークで取り上げた内容を具体化し、発表用の資料作成に取り組みます。


アイデアを発表する生徒


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