「むなかたSDGs探究」
海を守ろうむなかた実行委員会は、社会課題を自ら発掘し、課題解決に取り組む探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を宗像市の各中学校で実施しています。この活動は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
宗像市立自由ヶ丘中学校の3年生約140人は、洋菓子店「チョコレートショップ」と福岡女子大(ともに福岡市)と連携し、宗像産の食材を使ったチョコレート商品の開発に取り組んできました。11月13日に福岡市のJR博多駅構内で、完成した商品の販売会を予定しており、それに向けて多くの人に商品の魅力を伝えて購入してもらう方法を考えました。10月2日と25日の授業では、“地域の宝探しカンパニー”「スチームシップ」(長崎県波佐見町)の講師からアドバイスを受けながら、販売戦略を立てました。
ターゲットを具体的に
2日は、地域産品などの魅力を届けるディレクター業務に従事している講師が授業を担当しました。講師は「まずは『誰に、どの魅力を、どのように伝えるか』を考えること」と強調。「例えば『博多駅を利用する30歳の会社員女性』といった具体的な個人を設定すると、伝え方を考えやすくなる」と説明しました。
生徒たちは、「誰」に届けるかを想定するグループワークに取りかかりました。開発した商品の特長を再確認しつつ、博多駅を利用する人たちに思いを巡らせました。「平日の昼間に博多駅を通る人はどんな人だろう」「宗像の特産品を使っていることを伝えたい」など、グループの中でさまざまな意見が飛び交いました。クラス内で意見を共有すると、「仕事途中に立ち寄った女性」「旅行で訪れた県外の人」など具体的な人物像が定まっていきました。
PRのプロからコツ学ぶ
25日は、デザイナーの講師2人が来校しました。2人はウェブサイトやカタログデザインを担当しており、販売会のためにチラシや宣伝用ポップを作るコツを生徒たちに教えていました。講師の1人は「誰に向けて、何のために、何を伝えたいかが起点。アイデアに困った時は起点に立ち返る」と話し、生徒たちが考えてきたことを基礎に進めることの重要性を伝えました。別の講師は、文字だけでなく写真やイラストを使うと伝わりやすいといった事例を交えながら、考えるヒントを与えていました。
生徒作のチラシやポップ
生徒たちは、チラシ、ポップ、販売マニュアルなどのチームに分かれて作業。議論を重ねてきた販売戦略をいかしつつ、自分たちでデザイしたチラシを作成し、接客時の商品紹介の方法もマニュアルに落とし込みました。
生徒たちが開発に携わったオリジナルチョコレートの商品名は「Saison de Munakata(セゾン ド ムナカタ)」。宗像市の四季を表した4種類のチョコセットで、それぞれに宗像産品、すべてに市内の離島・大島で作られた塩を使用しています。販売会は、11月13日11時からJR博多駅中央改札口前特設コーナーで開催されます。