「むなかたSDGs探究」
海を守ろうむなかた実行委員会は、社会課題を自ら発掘し、課題解決に取り組む探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を宗像市の各中学校で実施しています。この活動は、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
宗像市立中央中学校の1年生は、海の環境問題を学び、環境改善や地域をより良くする方策を考える探究学習に取り組みました。10月31日、グループでまとめた解決策の最終発表に臨みました。これまでの授業で講師を務めた馬込賢太郎さんも来校し、発表を聞きました。
豊かな発想が続々
各クラスの代表グループが3分間でプレゼンを行いました。その一部を紹介します。
最初のグループは、まちの道端や河川に多くのペットボトルが落ちていることを課題に取り上げました。マイボトルの持参や、自動販売機の横にリサイクルボックスを設置することを提案しました。まちの美化になるだけでなく、海洋プラスチックごみの削減にもつながると訴えました。
宗像市から玄界灘に流れる釣川の河川ごみに着目したグループは、子ども会から参加者を集め、ゲーム形式のごみ拾いを実施し、景品をプレゼントする企画を発案しました。河川がきれいになれば、生き物が安全に暮らせると訴え、実施費用の課題は、収集したごみの量を宣伝して募金を集める案を示しました。
市場に出回らない「未利用魚」を課題に取り上げたグループは、未利用魚の活用を普及する方法を提案しました。未利用魚を購入できる場所や、料理レシピなどをSNSで投稿する案を披露しました。
身近な海を守るため、海洋ごみ問題に目を向けたグループは、アクセサリー作りなど工作を目的にすることで楽しみながらごみ拾いに参加できる案を発表しました。工作を通して、ごみを再利用する工夫が身につくとPRしました。
海の生き物が誤って海洋ごみを食べて命を落とす問題を考えたグループは、サメの形をしたごみ箱を海のそばに設置するユニークなアイデアを説明しました。「サメの形にすることで関心をひきつける狙いがある」としました。多様なごみ箱を設置することで分別の習慣も身につけてほしいと、思いを伝えました。
高評価の発表内容
各プレゼンに馬込さんが講評を行いました。「課題に対し、楽しく解決するという提案がすばらしい」「おもしろい内容なので協力してくれる人たちもいるはず。ぜひ実現してほしい」と発表内容を高く評価し、次のステップに向けて背中を押しました。
「プログラムが始まった当初は、これほどのプレゼンができるとは思わなかった」と、授業を担当した花田尚子教諭。約2ヶ月にわたって、プログラムに取り組んだ生徒たちの成長ぶりに目を丸くしていました。生徒たちをねぎらう拍手が送られ、最終発表を終えました。今後は、解決案の実現に向けて次なる段階へと進んでいきます。