豊かな海を後世に! 環境問題解決へ中学生が企画を考案中

企画

宗像の海について紹介する寺山さん

「むなかたSDGs探究」

 海を守ろうむなかた実行委員会は、「世界遺産の海で考える」をキーワードに、環境問題をはじめとする地球規模の社会課題を自ら発掘し、解決を目指す探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を福岡県宗像市の小中学校で実施しています。豊かで美しい海を次世代に引き継ぐため、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。


 宗像市立中央中学校では、1年生が9月から、探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」の一環で、地域の環境問題を考える学習を始めました。10月3日、地元で海と川の清掃活動に取り組む宗像青年会議所(JC)から講師を招いて、宗像の海の歴史や文化、ごみ問題の現状について話を聞き、海を守るためにできる企画を考えました。


宗像JCが活動紹介「力を合わせればできる」

 生徒たちは9月、宿泊環境学習で熊本県水俣市を訪問し、水俣病や環境問題について学んできました。この日は探究学習のコーディネーターを務める宗像JCの甲斐智則さんが、体育館に集まった約160人を前に、「宗像と水俣の海の状況を比べながら、自分たちの海のことだと思って話を聞いてください」と呼びかけました。


「海の問題を自分事として考えて」と呼びかける甲斐さん


 講師を務めた宗像JC専務理事の寺山英助さんは、地元の海ではワカメやイカ、タイといった豊かな海産物がとれることや、沖ノ島が世界遺産になった歴史的な背景などについて説明。一方で、宗像の海に国内外から大量の漂流ごみが押し寄せたり、地球温暖化などで環境が変化したりして、海から生き物がいなくなる可能性がある状況も紹介しました。


「宗像の海にもこんなにごみがある」と清掃活動を振り返る寺山さん

 宗像JCが市などと協力して、市内のさつき松原海岸や釣川で定期的に行っている清掃活動にも触れ、「一人でできることは限られるが、誰も何もしなければ海は荒れていく。160人が力を合わせれば大きな活動もできると思うので、自分たちにできることを考えてみてほしい」と力を込めました。


グループに分かれ、海の環境を守るための企画を考える生徒たち

 生徒たちはこの後、教室でグループに分かれて、宗像の海の環境を守るための企画を考え、発表し合いました。1組の衛藤悠真さんのグループは、海で拾ったごみを活用して、環境を大切にしようと呼びかけるアート作品を制作する企画を考案しました。「宗像の海の現状を分かりやすく学ぶことができた。大好きな宗像の環境を守っていくためにも、良い企画をつくりたい」と意気込んでいました。

 生徒たちは10月10日に同校で開かれる「宗像国際環境会議」の学生分科会で、大学生らに対して企画を発表し、さらに内容を練り上げていく予定です。


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