沖ノ島を守るためにできること 小学生が公開授業で発表
沖ノ島に多くのごみが流れ着いていることを発表する児童たち
「むなかたSDGs探究」
海を守ろうむなかた実行委員会は、「世界遺産の海で考える」をキーワードに、環境問題をはじめとする地球規模の社会課題を自ら発掘し、解決を目指す探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を福岡県宗像市の小中学校で実施しています。豊かで美しい海を次世代に引き継ぐため、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
宗像市立玄海東小学校で11月8日、保護者や地域の人を招き、児童が学校で学んだことを発表する公開授業が行われました。探究学習プログラム「むなかたSDGs探究」を通じ、同市が誇る世界遺産「沖ノ島」について学んできた4年生の児童も、島の環境や周辺で起こっている海洋ごみの問題について考えたことや環境を守るために取り組みたいことなどを発表しました。
身近なごみ問題を体感
児童たちはこれまで、沖ノ島に詳しい宗像大社の神職や研究者、海洋ごみの回収に取り組む漁業者や市環境課の職員らに話を聞いたほか、玄界灘に注ぐ川や海岸に出向いてごみ拾いや生き物の調査をして、身近にある問題を体感してきました。
ごみ拾いやマイバッグ 協力呼びかけ
この日は「むなかた子ども大学の日」として、公開授業が行われました。4年生のクラスでは児童が5グループに分かれ、写真やグラフ、クイズなどを盛り込んだスライドを見せながら、発表に臨みました。
一番手のグループは沖ノ島に多くのごみが流れ着いている現状について、学校内でアンケートを取り、低学年ほど知らないことが分かったと発表。「漁師さんや市の人が地道なごみ拾いをしてくれています。私たちもごみ拾いをしたり、マイバッグを使ったりする活動をしていきます。皆さんもご協力をお願いします」と呼びかけました。
このほかのグループも、沖ノ島の貴重な動植物が環境の変化によって絶滅の危機にあることや、一般の人が立ち入れないという島の禁忌によって、漂着ごみを拾うことが簡単ではないことなど、それぞれが学習の中で印象に残ったことを紹介しました。結びには、「ごみはリサイクルする」「ポイ捨てをしない」といった島や海を守るために考えたアイデアを披露しました。
発表を聞いた保護者らは拍手を送り、「よくまとまっていて、びっくりした」「発表の準備にどれくらい時間がかかったの?」などと感想や質問が出ていました。発表を終えた権田稀子さん(10)は、「買い物の時にマイバックを使ってほしいという一番伝えたかったことが、ちゃんと伝わったみたいで良かった」と話しました。







