九州観光機構のチャンネル九州塾から、ささっとーが9月にオススメするのは、機構の職員が結成した「九州をツナギ隊」による体当たり取材の番組です。
コロナ禍でのむちゃぶり
「イチ、ニ、サン、シらさわです!」
右手の指を4本立て、少し控えめなトーンで自己紹介するのは「九州をツナギ隊」の白澤恒平さん(42)。計8人のツナギ隊メンバーの隊長を務めています。
ツナギ隊が9月に登場するのは、宮崎県延岡市と日向市を紹介する2本。7日公開の延岡市の動画では、白澤さんら3人が、延岡城跡やチキン南蛮の有名店、地ビール「ひでじビール」の醸造所などを巡ります。
白澤さんは元々、ホームページ制作などを手がける「QTmedia(キューティーミディア)」(福岡市)の社員。2017年4月に九州観光推進機構(現・九州観光機構)に出向しました。
機構に移ってからは、九州の観光地を紹介するウェブサイト「九州旅ネット」のほか、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを担当し、その管理や記事制作にあたってきました。自身が動画に出演するきっかけは、コロナ禍での“むちゃぶり”だったといいます。
一肌、脱ぎましょう
情報発信の一環で、機構では2020年9月から、ユーチューブ動画を配信する「九州観光チャンネル」をスタート。白澤さんが窓口となって外部に発注し、九州各地の観光スポットを紹介する16本の動画を21年3月までに制作する計画を立てました。
女子学生のグループが温泉を体験するなど趣向を凝らした動画を3本ほど撮った頃、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変します。県境をまたぐ移動を自粛するムードが急速に広がり、撮影の申し出を観光地側から辞退されるようになりました。
「白澤さん。一肌、脱ぎましょう」
発注先の担当者に依頼され、「苦肉の策」でひねり出したのが、白澤さん自身が出演して撮影を続けることでした。遠出は控え、一人でカメラの前に立ちましたが、他の職員にも協力を求めて九州7県のお土産や駅弁を紹介するなどしました。
21年度も動画配信を続けることになり、自身や同僚の出張スケジュールに合わせ、少人数で各地での撮影を始めました。初の出張ロケを行った21年6月、撮影に臨む職員が色違いのツナギを購入。11月配信の動画から「九州をツナギ隊」と名乗るようになりました。
ハウステンボス(長崎県佐世保市)のアトラクションを取り上げた動画は2万回以上再生されるなど、ヒットも生まれています。
見どころはココ!
21年6月に機構会長に就任した唐池恒二氏(JR九州相談役)が、動画配信をさらに強化しようと、今年7月から「チャンネル九州塾」がスタート。九州観光チャンネルがバージョンアップする形で、多彩な番組をそろえました。ツナギ隊も4人から8人に増員され、各地を巡って奮闘しています。
9月公開の延岡市の動画では、カヌーなどの川遊びを思いっきり楽しむ場面も。白澤さんは「仕事を忘れて童心に帰り、本気で楽しんでいる姿を見てもらえたらうれしいです。あっ、仕事は仕事なんですけど……」と話します。
コロナ禍で、観光地が集客イベントを開きにくくなっている中、「動画で発信してくれてありがたい」と各地の関係者に喜ばれることもあるそうです。「これからも九州各県の良さをツナギ、観光地と旅行者をツナギたい」。白澤隊長は願っています。
YouTube
海・山・川とそれぞれの一級アウトドアが気軽に楽しめるアウトドア天国とも呼ばれる宮崎県延岡市で大人の夏休みを満喫してきました!延岡城跡で千人殺しの石垣を観光したり、チキン南蛮発祥...
YouTube
神話の伝承が数多く残り、太平洋に縁どられた美しい砂浜が続く宮崎県日向市に行ってきました。国歌に歌われるさざれ石のある「大御神社」、日向灘に突き出た柱状節理「馬ヶ背」、恋する灯台...