イラストレーターやグラフィックデザイナーとして活躍した和田誠さんの作品や資料を紹介する「和田誠展」が11月19日、北九州市小倉北区の市立美術館分館(リバーウォーク北九州5階)で始まりました。会期は12月18日まで。
著書『ぼくの「自学ノート」』(小学館)で注目されている梅田明日佳さん(北九州市立大2年)に展覧会の感想と見どころ、おすすめ作品を聞きました。
「好きなことを好きなだけ」
イラストのみならず漫画、映画、文筆、作曲などあらゆる分野で活躍した和田誠さんの企画展が北九州市にやってきました。会場はぼくのようにファン歴の浅い人はもちろん、「和田誠」を知り尽くしたプロファンも楽しめる工夫がいっぱいです。
まず目を引くのは和田さんの「年表」ならぬ「年柱」。21本の柱をめぐることで、見たことのある「あれもこれもそれも」が和田さんの仕事だったと分かります。展示数は2000点以上、「そっくり!」「カッコいい!」こんな風に描けたらどんなに楽しいだろうと思いながら作品ひとつひとつに見入っていたら、あっという間に一日が過ぎてしまいました。
圧巻は1977年から40年間携わった「週刊文春」の表紙、何百枚ものポスターでできた3枚の壁です。いつ寝ていたのだろうと心配になるほどの量。多作は天才の証しです。新鮮なのにどこか懐かしい和田誠ワールド、新たな発見を求めて繰り返し訪ねたいと思います。
おすすめ作品①:「これはのみのぴこ」文・谷川俊太郎 1979年 サンリード
小さいころ好きだった絵本『これはのみのぴこ』の最後のページ。どんなに頑張ってもひと息で言えるのは「おだんごやさん」まででした。なのでNHKアナウンサーの原田徹さんが余裕で「のみのぷち」にたどり着くのを目の当たりにしたときの驚きは今も鮮明です。久しぶりに開いた絵本で「ぴこ」が細かいところまでリアルに描かれていることに気づきました。見るたびに新たな発見があるのが和田さんの絵のいちばんの魅力。ちなみに今回は最終段まであと1行の「しゃるる」まで言えました。
おすすめ作品②:「先生たちの似顔による時間割」1953年
教科担任の顔がズラリ並んだ時間割。歓声を上げるクラスメートたちの様子と一緒に、つまらない高校生活も工夫次第で楽しく変えられるよ、という和田さんの声が聞こえてくるような作品です。授業中「OMNIBUS」と名づけたノートに似顔絵を描いていた和田さんは当時を振り返り「この頃がぼくの最大の修業期間だったようです」と語っています。貴重な十代後半を豊かに過ごしたことで「日本のレオナルド・ダ・ビンチ」は誕生しました。
イベント名 | 和田誠展 |
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開催日 | 11月19日(土)~12月18日(日) |
開催場所 | 北九州市立美術館分館 (北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州5階) |
開催時間 | 10:00〜18:00(※入館は17:30まで) |
料金 | 一般:1200円(1000円) 高校・大学生:800円(600円) 小中学生:600円(400円) ※かっこ内は前売りと20名以上の団体料金 美術展ナビチケットアプリでも販売中 |
公式サイト | 北九州市立美術館 分館 |