豊かな海を体感する「むなかたSDGs教室」 学生記者が一日を取材㊤
生きたアジのつかみ取りに挑戦する子どもたち
福岡県宗像市の岬地区コミュニティ・センターで10月5日に開催された、海の現状を「見て・触って・聞いて」体験するイベント「むなかたSDGs教室」。当日は読売新聞西部本社の「学生記者プロジェクト」に参加する大学生2人が取材に挑戦しました。子どもたちが魚の調理体験やビーチクリーンなどを通じて環境問題や自然保護の大切さを学び、成長していく姿をリポートします。
池上(いけがみ)ひかる 記者
写真撮影や動画編集が好きな梅光学院大学(山口県下関市)2年生。語学や環境問題に関心があり、三好不動産(福岡市)が運営する学生ボランティア団体「一般社団法人アースプロジェクト福岡」から参加しました。将来も環境保護活動に取り組みたいと考えており、今回の取材活動は今後につながる貴重な経験となりました。
Mission.1 魚さばきと魚料理
海の命に向き合う
教室は今回で4回目。SDGs(持続可能な開発目標) のうち、「質の高い教育をみんなに」「海の豊かさを守ろう」に沿って、「海の恵み体験」「ビーチクリーン」「世界遺産セミナー」の三つのプログラムが行われます。前半の二つのプログラムでは、海洋環境の保全と持続可能な漁業を目指す地元漁師らでつくる「一般社団法人シーソンズ」の皆さんが講師を務めました。
参加したのは小学4~6年生の21人。初参加の子も多く、同センターの多目的ホールで行われた開会式には、みんな少し緊張した面持ちで臨みました。司会者の「宗像で楽しい思い出を作ろう!」という掛け声には、全員で大きく「おーっ!」と元気な声を響かせました。
最初に挑戦したのは、生きた魚のつかみ取りです。子どもたちは屋外に用意された桶の中で泳ぎ回るアジを興味津々でのぞき込み、スタートの合図で一斉に手を伸ばしました。魚が大きく跳ねるたびに驚いて思わず手を引く子もいましたが、諦めずに必死で追いかけていました。4年の勝原拓人君は、「すぐ逃げてなかなかつかめないところが楽しかった」と、夢中で話してくれました。
ただ、指導役の漁師さんが魚の首を折る「締め方」を教えると、場の空気は一変しました。それまでの笑顔が少し消え、不安そうな表情を浮かべる子も。そんな中、慣れた様子で友だちを手伝う子や、他の子のもとに駆け寄って手を添えてあげる子の姿も見られました。
次はセンターの調理室に移動して、包丁を使って実際にさばいてみます。内臓を取り出す場面では、「気持ち悪い!」「触れない!」という声が上がり、調理室には驚きと戸惑いが広がりました。それでも、作業に苦戦する子には、漁師さんがそっと寄り添って作業を進めてあげるなどし、段々と温かい空気が広がっていきました。
にぎやかで楽しそうな声が響く一方で、子どもたちの目は真剣そのもの。目の前の命と向き合い、大切なことを学んでいるようでした。
漁船に興味津々
漁師の仕事場となる漁船の見学も行われました。漁師さんの「魚の取り方を知っている人は?」との問いかけには、4人の子が元気よく手を挙げ、船の大きさを聞かれると、「100メートル!」「150メートルくらい!」とそれぞれが想像をふくらませて答え、笑いが広がりました。船内では、漁に使う器具や装置について説明があり、子どもたちは真剣な表情で耳を傾けていました。
毎年秋に、宗像大社に三女神がそろう「みあれ祭」では、この船が沖ノ島から神様を乗せてくることも紹介されると、子どもたちは驚きの声を上げました。「この船は何トンあるんですか?」「何人乗れるんですか?」と次々に質問が飛び出し、漁師さんの答えに、納得の表情でうなずく子どもたちの姿が印象的でした。
海の恵みを味わう
正午になり、待ちに待った昼食の時間です。自分たちでさばいたアジや、漁師さんたちが用意してくれた料理がテーブルに並ぶと、子どもたちの表情はぱっと明るくなりました。
地元で取れる海藻・アカモクを使ったみそ汁を楽しみにしていた子もいて、自分で焼いた魚を前に「おいしそう!」という声があちこちから聞こえてきました。
記者も一緒に食べさせてもらいました。アジは塩加減が絶妙で、冷めてもやわらかく肉厚。アカモクは想像していたヌメヌメとした食感ではなく、シャキシャキ、コリコリとした歯ごたえで、口の中で味噌の風味と出汁(だし)のうま味が広がり、思わず笑みがこぼれました。
食べ終わった子3人に感想を聞いてみたところ、全員が「魚がいちばんおいしかった!」と口をそろえました。自分でさばいた魚の味はやはり格別だったようです。
(池上ひかる記者)
■当日のイベントの様子
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