【鹿児島】「牡丹襖絵」鮮やかに復元 島津家別邸・仙巌園

 鹿児島市の島津家別邸・仙巌園は、「牡丹(ぼたん)襖絵(ふすまえ)」を復元し、一般公開している。薩摩藩最後の藩主・忠義が居室としていた御居間(おいま)に設置されていたもので、デジタル技術と日本画家の手によって華やかな絵が再現された。


「牡丹襖絵」が復元された仙巌園の御殿


デジタル×日本画家の技術で


 襖絵は縦180センチ、横576センチの6枚1組。金箔(きんぱく)で彩られた背景に赤色や白色のボタンが描かれている。原本は尚古集成館の収蔵庫で保管されているが、6枚のうち1枚の所在がわからなくなっており、残る5枚も破損や退色が見られるという。

 そこで、原本を高精細カメラで撮影してデジタル化することで原寸大の下絵を作成。劣化が激しい部分や欠けている1枚については、当時の古写真を参考にするなどして鹿児島市の日本画家・駒井敏行さんが筆を加え、約半年で完成させた。原本に見られる退色や傷は意図的に一部残すことで、歴史を感じられるよう工夫した。

 忠義が御殿を改築して現在とほぼ同じ造りになった1884年(明治17年)頃の状況を復元するプロジェクトの一環で、約4年前から取り組んでいる。これまでにも別の部屋の襖絵などが復元されている。

 御殿内の御居間は忠義が書類の決裁や食事など執務室としてほぼ1日を過ごしたとされており、桜島と庭が一望できる場所として来園客にも人気の場所だ。京都府から訪れた女性(45)は「きらびやかな襖絵で、庭と一緒に楽しめるのがいい」とじっくりと見入っていた。

 同館の福元啓介学芸員は「御居間は忠義が島津家本邸として日常の大半を過ごした場所。忠義の武将のイメージだけでなく、襖絵を楽しむ華やかな面も持ち合わせていたことを知ってほしい」と話した。

 仙巌園は今後、絵画や掛け軸などの調度品についても復元し、順次、御殿で公開する計画という。


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