【鹿児島】天文館の老舗温泉ホテル 代替泉源の掘削成功

 鹿児島市・天文館の老舗温泉ホテル「ホテルニューニシノ」が配管トラブルのため、泉源を掘り替えるプロジェクトを進めている。約5か月間掘削し、9月末に新たな温泉が噴き上げ、早ければ、年末年始頃の供給開始を目指している。運営会社の西野友季子社長は「温泉が出てほっとした。天文館の温泉文化を引き継いでいきたい」と力を込める。(関理一郎)


地下920㍍からくみ上げた新たな温泉


年末年始に供給開始へ

 同ホテルでは2025年、地下930メートルの泉源と地上をつなぐ管が破損。亀裂が入り海水が流入したとみられ、くみ上げた温泉の温度が低下するようになった。破損箇所が特定できず修復も難しいため、新たな泉源を掘削することにした。現在は水道水をボイラーで沸かして営業している。

 掘削工事は26年4月に開始。長さ6メートルの鉄パイプを約150本埋め込んで補強しながら直径15センチの刃で掘り進め、9月末、地下約920メートルで新たな泉源を掘り当てた。


新たな泉源の掘削工事現場(10月7日撮影)


 工事を担当した松木ボーリング(鹿児島市)の庵山琢哉さんは「都市部なので作業可能な面積が通常の10分の1程度と狭く難しい工事だったが、無事に終えられて安心した」と話していた。


 同ホテル前身の「西野旅館」は大正初期に創業。戦後は1980年代と2010年代に掘削し、3回目となる今回は前回の掘削地点から約2メートル離れた地点から掘り進めた。湧き出た温泉の温度は60度前後で、今後、成分などを詳しく調べる。県の許可を得た上で、配管工事を行い、年末年始頃の提供開始を目指す。


新たな泉源が見つかり、意気込みを語る西野社長


 工事には多額の資金が必要となるが、燃料費高騰などで「負担は大きい」(西野社長)という。西野社長は「ここで掘るのをやめてしまったら、ニューニシノの温泉文化が途絶えてしまう。覚悟を持って工事をした」と明かす。


 11月1日までクラウドファンディングで支援を募っており、現在、男性専用となっている温浴施設の補修を行うほか、ホテルの客室の一部を改装して宿泊者向けの女湯も新設し、女性にも温泉を楽しんでもらえるようにする。

 西野社長は「いい温泉を提供し続け、これまで以上に幅広い人たちに楽しんでもらえる場所となることを目指す」と意気込んでいる。


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