【熊本】災害詐欺は許さんばい!「ワルモン」が活動再開

 熊本地震に便乗した詐欺の被害を防ごうと、熊本県警が、詐欺被害対策マスコット「ワルモン」を通じて注意を呼びかけている。自称詐欺師のワルモンは、地震直後は活動を控えていたが、9月中旬から、だましの手口を披露する取り組みを再開させた。9月でデビューから1年を迎え、「オレ様ん出番でしょばい」と気合を入れている。

熊本地震後 活動自粛経て

 13日、熊本市北区の大和地域コミュニティセンターで開かれた敬老会。「(ワルモンは)詐欺の手口をペラペラとしゃべってまいります。県警の監視の下、活動させていただいております」。県警生活安全企画課の警察官の紹介に合わせてワルモンが登場すると、会場からは大きな拍手が上がった。

 この日が地震後初のイベント出演となるワルモンは、警察官になりすまして捜査名目で金銭を要求する「ニセ警察詐欺」、SNSを使って偽の投資に勧誘して金銭を詐取する「SNS型投資詐欺」のだましのテクニックを集まった高齢者約100人に伝えた。手口を学んだ山下勇さんは「ワルモンはユーモラスで親近感を持てた。こんなふうに勉強できる機会は必要だ」と話した。


災害に便乗した詐欺の手口などが書かれたチラシを配るワルモン(14日午後、熊本市中央区で)


 翌14日には同市中央区の繁華街で、地震に便乗して電話で家族構成を尋ねたり、公的機関を装って義援金を呼びかけたりする詐欺への注意を促すチラシを買い物客らに配った。ワルモンを目当てに福岡市から訪れたという田中幸さんは「憎めなくてかわいい。楽しみながら詐欺の手口を学べる」と語った。


 ワルモンは、「悪者」を意味する熊本弁から名付けられた。県のPRキャラクター「くまモン」とは親戚でも友人でもないという。昨年9月15日の敬老の日にデビューし、好きな食べ物は「冷めたイカ」(いかさま師)、気になる飲み物は「球磨焼酎」のロック(球磨ロック=熊が捕まる)という。様々な詐欺の手口を自慢げに披露する癖があるとされる。

 7月の熊本地震後、県警は「人命救助や警戒活動などが行われる中、ユーモアを交えたワルモンの活動は妥当ではない」と判断。活動を自粛し、10件以上のイベント出演を見送った。

 地震から1か月以上が過ぎ、地域によっては災害対応が少しずつ落ち着き始めた。また、災害に便乗した詐欺に関する相談が県警に寄せられていることから、被害防止に向けて活動の再開を決めたという。

便乗詐欺の相談も

 県警によると、県内の特殊詐欺の1~8月の認知件数は212件で前年同期に比べて29件減少した。一方、被害額は24億3800万円で、前年同期を9億2000万円上回っている。うち、「ニセ警察詐欺」と「SNS型投資詐欺」の被害額が全体の7割超を占める。



 また、地震後は「保険業者を名乗る人物から何度も『500万円が出る』といった内容の電話がかかってくる」「SNSで企業を名乗るアカウントから地震の被害応援キャンペーンに関するメッセージを受信し、送金を要求された」などの相談が県警に寄せられているという。県警は詐欺の可能性があるとみている。


 目立ちたがり屋のワルモンは「県民が地震で苦しか思いしとるのに、その県民ば狙う詐欺師んおるって聞いたばい」と怒っており、「充電は満タン、県内さるいて(歩き回って)ためになる詐欺ん話ばしよっかばい」と意気込む。

 県警犯罪抑止対策室の宮崎航・室長補佐は「知らない電話番号や国際電話、SNSでお金を要求されたら、警察に相談してほしい」としている。


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