98歳!元気の源はボウリング 九州最高齢ボウラー米村フサエさん
九州最高齢ボウラーの米村フサエさん。週1回、ボウリングを楽しんでいる=若杉和希 撮影
シニアのボウリング熱が高まっている。その中で今年、福岡県宗像市の米村フサエさん(98)は九州最高齢のボウラーになった。5年前に始め、今は週1回、ボウリング場で汗を流し、フサエさんに憧れるシニアボウラーもいる。12月には白寿を迎え、「もっとうまくなりたい」と元気いっぱいに語る。
11ポンドのマイボールで!
ゴォー……、カーン。
ボールが転がる低い音とピンをはじく高い音が響く「宗像シティボウル」(宗像市)。9月下旬の平日昼間、フサエさんが現れた。
薄紫色のポロシャツ姿のフサエさんは、マイシューズに履き替え、準備体操をすると、黒と金銀のマーブルの11ポンドのマイボールをつかみ、投球動作に入った。
スペアが決まるとベンチに振り返り、満面の笑み。ボールがそれ、ピンが倒れないと地団駄(じだんだ)を踏むしぐさをして「真ん中に行かんとよ。歯がいか(歯がゆい)」と悔しがってみせた。
フサエさんは週1回、同居する次女の島村麗子さん(71)と5ゲームを楽しむ。
はつらつとプレーするフサエさんに常連客は「元気そうですね」と声をかけ、交流の場にもなっている。ボウリング仲間の宗像市の中山智恵子さん(89)は「格好いい年の取り方。目指すのはフサエさん」、麗子さんも「すごく元気をもらえる」と話す。フサエさんは「毎週、皆さんから元気をいただいとる」と声を弾ませた。
次女に誘われて、はまる…
フサエさんは昭和2年(1927年)、熊本県八代市で生まれた。国鉄に勤めていた同郷の譲(ゆずる)さんと23歳で結婚し、熊本市に居を構えた。製菓工場勤務や会社寮の寮母をしながら譲さんと一緒に2女を育てた。
10年以上前に譲さんに先立たれ、長女と同居。2021年3月になって麗子さんのいる宗像市に移った。
程なく、ボウリングが趣味の麗子さんに「外に出てみたら?」と誘われた。若い頃は近所の母親たちとバレーボールをし、体を動かすのは大好き。面白そうだと半世紀以上ぶりにボウリング場に。ピンに当たった時の快感にはまった。「ストライクを取るとうれしい。ボールが言うことを聞かんと悔しい。飽きんし、疲れん。ボールの音を聞いてるだけで楽しか」と醍醐(だいご)味を語る。
長寿ボウラー「横綱」に認定
元気の秘訣(ひけつ)はもちろんボウリング。体力維持のため、自室は階段を使う2階に。毎朝30分~1時間、愛犬の散歩をし、野菜、海藻、小魚を意識して食べている。
ボウリングを続けているとうれしいことも増えた。95歳の時、公益社団法人・日本ボウリング場協会(東京)が発表する「全国長寿ボウラー番付」で、女性は88歳以上が対象の「横綱」に認定された。今年、九州最高齢ボウラーにもなり、ますますやる気がわいた。
6人いるひ孫の一人は、プレー時のポロシャツを12月の誕生日の度にプレゼントしてくれる。年齢がデザインされ、今は「FUSAE 98」。毎年、新しい一着を着るのが待ち遠しい。
フサエさんの目標は、麗子さんから1勝すること。最高の162点をたたき出した時も1点差で負けた。「ボウリングと出会えて人生に張り合いができた。100より上のポロシャツで麗子に勝ちたか」と意欲満々だ。
増えるシニアボウラー
日本生産性本部の「レジャー白書」によると、年に1度でもボウリングをしたことのある参加人口(1979年調査開始)は、ピーク時の4080万人(93年)から、2024年は560万人まで減った。
一方、米村フサエさんのようなシニアボウラーは年々増えている。
日本ボウリング場協会によると、月1回以上、定期的にプレーする80歳以上の男性、75歳以上の女性を紹介する「長寿ボウラー番付」掲載者は、1996年の開始時の54人から増え続け、今年は1万326人と、1万人を突破。協会は、健康志向の高まりや室内でできること、大半が1ゲーム1000円未満の手頃さが増加の理由にあるとする。
昭和40年代の大ブームを知っていることも関係していそうだ。宗像市の矢野厚子(こうこ)さん(88)、羽間紹子さん(86)姉妹は当時の人気プロボウラー・中山律子さんを挙げ、「彼女を思い出しながら楽しんでいます」と話した。
施設側も健康教室などシニア向けイベントを充実させている。宗像シティボウルはこの層がメインのリーグ戦を週4日開催。認定インストラクターの迫田由美子さんは「平日昼のシニア利用が増えた」と語った。







