カスハラ対策は事業主の義務に 福岡市の病院で対応訓練を実施
窓口でのやり取りを撮影してSNSに投稿しようとする患者への対応を訓練する病院職員(左)
医療従事者が、現場で患者やその家族から理不尽な要求、暴行などを受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が後を絶たない。10月から事業主にカスハラ対策が義務づけられるのに合わせ、福岡市医師会と警察などが連携した訓練が、同市西区の村上華林堂病院で行われた。
改正法が10月1日施行
職場でのカスハラは厚生労働省の指針で、①顧客らの言動で②社会通念上、許容される範囲を超え③労働者の働く環境が害される――の三つの要素を満たしたものと定義されている。カスハラの中でも、医療機関での行為は「ペイシェントハラスメント」と呼ばれる。10月1日に施行される改正労働施策総合推進法で、医療機関も含めた事業主にはカスハラへの対策が義務づけられる。
訓練は9月17日、待合室での待ち時間が長いことにいらだった患者が、窓口の職員に暴言を浴びせたとの想定で実施。個人を中傷するような発言をしたり、やり取りを撮影してSNSに投稿しようとしたりしたため、複数の職員で対応する流れを確認した。最後は患者の家族が暴れたため、警察に通報し、駆けつけた警察官が取り押さえた。
毅然とした対応も必要
福岡県警OBで福岡市医師会防犯・安全対策支援アドバイザーの柴田建一さんは「医療機関でもカスハラは問題になっている。患者に対して寄り添うだけでなく、場合によっては毅然(きぜん)と対応するべきだということを訓練を通じて意識改革してほしい。働く人を守ることが他の患者を守ることにもつながる」と助言した。
同院ではこれまでも研修を通じてカスハラへの対策を進めているという。北野晃祐事務部長は「医療現場では、患者の要求が過大であっても応えようとする人が多い。身の危険があったり、他の患者に危害を加えたりするおそれがあれば、すぐに警察に通報するなどの対応をしたい」と話した。







