52年前の日本広報映像を国内初公開 九州大大橋キャンパスで
「日本・人と自然」の一場面
52年前に米国で開催された万博のために制作された日本の広報映像が11月7、8日、福岡市の九州大学大橋キャンパスで上映される。他国に向けて日本の自然や伝統とともに社会の現状や課題も紹介する15分間の映像で、国内初公開となる貴重な資料だ。
米国万博で紹介 「人と自然」
作品は35ミリフィルムで、1974年に「汚染なき進歩」をテーマに開かれた米・スポーケン国際博覧会の日本館で上映された。タイトルは「日本・人と自然」。スクリーン3面と立体音響による「マルチ映像」の手法を用い、観客を包み込むような効果を狙って制作された。
海や雪景色、魚市場、田植え、神事などの光景から、日本人の日常や美意識、伝統を紹介。産業の機械化、都市化の進展に伴う通勤ラッシュやゴミ問題などの社会問題も伝える内容となっている。外務省や環境庁(当時)などが日本貿易振興機構(ジェトロ)に制作を委託。脚本・演出は、国際博覧会で日本が初めて映像を出品した68年の米・サンアントニオ国際博での展示映像を制作し、東京五輪(1964年)や大阪万博(70年)の記録映画にも携わった山岸達児(1929~2009年)が務めた。
入場は無料 11月7、8日に
博覧会や展示会などで上映される「展示映像」は廃棄されたり、散逸したりすることが多いが、「日本・人と自然」は福岡市の一般社団法人展示映像総合アーカイブセンターが縮小版の16ミリフィルムを保存しており、同センターが文化庁の助成でデジタル化した。
同センター代表理事の脇山真治・九州大名誉教授(73)は「52年前の日本がどのように自らを見つめ直し、海外に将来の方向性を伝えようとしたかが表れた貴重な映像。展示映像の価値が知られるきっかけになれば」と話す。
7、8日とも、午後1時から1時間ごとに5回上映され、定員は各回50人。入場無料だが、専用フォームから申し込みが必要。問い合わせは脇山名誉教授(090-1878-0804)へ。







