吉塚地蔵尊の夏季大祭で貴重な「大灯籠絵」を公開 7月23、24日

吉塚地蔵尊の夏季大祭で披露される大灯籠絵

 福岡市博多区の吉塚通り沿いにある吉塚地蔵尊で7月23、24日、夏季大祭(夏祭り)が開かれる。今年は、近年発見された貴重な「大灯籠絵」が、演舞台イベントの中で公開される。

舞台は秀吉の九州平定

 和紙(縦約1.8メートル、横約4.4メートル)に描かれた2枚の武者絵で、2023年に地蔵尊近くの倉庫で見つかった。翌年、福岡市博物館で特別展「大灯籠絵」が開かれ、「2枚は大灯籠絵では」と気づいた吉塚地蔵尊世話人会が、同館に調査を依頼した。

 どちらの絵にも題名は書かれていなかったが、構図や作中の文字から豊臣秀吉の九州平定を舞台としたもので、うち1枚には「吉塚」(元々は吉実塚)という地名の由来となった戦国武将・星野吉実(ほしの・よしざね)も登場していた。


吉塚市場のそばにある地蔵尊

 博物館ホームページによると、福岡市内では夏祭りの際、道辻に「大灯籠」と呼ばれる巨大な灯(あか)りを飾るところがあり、武者絵や説話の一場面が描かれている。大浜、千代、箱崎、今宿地区などで計約60点が現存することが確認されているという。

演舞台イベントで登場

 今回公開される2枚が納められていた木箱には、大正14年(1925年)制作との記載がある。当時、夏祭りで大灯籠絵として使われたとみられるが、記録は残っていない。


吉塚地蔵尊 夏季大祭のチラシ


 世話人会は、地元で一度は公開したいと夏祭りでお披露目することを決めた。大祭の演舞台イベントは両日とも午後6時20分から。大灯籠絵の公開は23日が午後8時から、24日が午後7時50分から各10分間を予定している。


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