元寇から750年 ゆかりの地・福岡でイベント盛りだくさん!

蒙古襲来絵詞模本に載っている「てつはう」がさく裂する場面(九州国立博物館提供)

記事 INDEX

  • 九博で痕跡に触れる
  • シンポで歴史を学ぶ
  • 史跡巡りに出かける

 2024年は、モンゴル帝国(元)が日本に攻め込んできた元寇(げんこう)の「文永の役」(1274年)から750年の節目。ゆかりの深い福岡では、歴史資料を集めた展示や、専門家によるシンポジウムなどが企画されています。蒙古(もうこ)襲来を題材にした漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」(KADOKAWA)とコラボしたスタンプラリーも開催中です。

九博で痕跡に触れる

 文永11年(1274年)の10月5日、長崎県の対馬に上陸した元軍は、壱岐でも激しい戦闘を繰り広げ、20日早朝には博多への上陸を試みます。武士たちは敵の侵攻を食い止めようと戦いました。


九博で展示予定の「関東御教書」。右端の一文に「蒙古人襲来」の文字がある (同)


 九州国立博物館(福岡県太宰府市)は10月29日から、特集展示「モンゴル襲来の痕跡を探る」を開催。防衛のために、鎌倉幕府が武士に出したとされる命令書「関東御教書」などの史料を展示し、危機に直面した当時の状況を紹介します。


海底から出土した「てつはう」(同)

 会場の文化交流展示室には、戦いの様子を描いた「蒙古襲来絵詞模本」、海底から出土したさく裂弾「てつはう」、一部復元した元寇船のいかりなども並びます。特集展示は2025年1月19日まで。平常展の観覧料(一般700円)が必要です。

 このほか、激戦地・長崎の壱岐、対馬、松浦に焦点を当てたパネル展示(10月29日~12月22日)、元寇船の遺跡発掘調査の結果を伝える速報展(11月16日~12月22日)を予定。また、VR(仮想現実)ゴーグルで戦いの様子を体感する「元寇船VR体験」(11月16、17日)といったイベントも計画しています。


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シンポで歴史を学ぶ

 史跡が点在する福岡市西区の市西部地域交流センター「さいとぴあ」では11月30日、地域住民らでつくる実行委員会の主催で、シンポジウム「蒙古襲来とその遺産」が開催されます。


シンポジウムのチラシ

 歴史学者で九州大名誉教授の服部英雄氏(日本中世史)による基調講演に続き、漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」の作者・たかぎ七彦氏らを迎えたパネルディスカッションを行い、元寇の歴史的背景や日本に与えた影響などについて語り合います。モンゴル伝統の馬頭琴やホーミーの楽団「イフタタラガ」の演奏も楽しめます。

 参加は専用フォームなどから、11月8日までに申し込みます。入場無料で定員500人。応募多数の場合は抽選です。

史跡巡りに出かける

 ゆかりの地を巡るイベントも開催中です。福岡、対馬、壱岐、松浦の4市は、各地に点在する史跡を訪ねてもらおうと、25年1月31日まで「元寇スタンプラリー」を実施しています。


スタンプラリーのイメージ画像©たかぎ七彦/KADOKAWA

 「アンゴルモア 元寇合戦記」とコラボしたこのイベントは、スマートフォンに専用アプリをインストールして各地を巡ります。アプリに表示されるスポットで、漫画の主人公やヒロインらが描かれたイラストをスタンプとして集めます。その獲得数に応じて4市の特産品が抽選で当たるキャンペーンも行っています。


アプリの画面。福岡城を訪れると、福岡ゆかりの武士・少弐景資(しょうに・かげすけ)のキャラ(左端)をゲットできる(福岡市提供)

 スポットは各市に7か所ずつあります。福岡市は、生の松原と今津の元寇防塁(いずれも西区)、筥崎宮(東区)などで、武士たちが元軍と戦った歴史を感じながら、まち歩きを楽しめます。

 元寇750年の節目の秋に、歴史散策に出かけてみませんか――。


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