【熊本】共通QRで乗り継ぎOKに!  国交省が実証実験

 国土交通省は11月27日、熊本市で、鉄道やバスなど複数の交通機関の決済に使える共通のQRコードの実証実験を行った。交通機関でのQRコード決済は規格が乱立して導入の妨げとなっており、国が主導して統一することで普及や事業者間の連携を促す狙いがある。2026年度の実用化を目指す。

 この日はJR九州や九州産交バス(熊本市)などの改札や車両に専用の読み取り端末が設置され、各社の担当者らが一つのQRコードを使って複数の交通機関に乗車した。全国初の取り組みで、国交省の担当者は「今後も官民の連携を強化したい」と述べた。


バスや電車の乗り継ぎの実証を行う参加者たち

 熊本県内では路線バスや電車を運行する複数の事業者が、全国交通系ICカードでの運賃の決済を取りやめた。システムの更新費の負担が要因だ。QRコード決済システムは交通系ICカードやクレジットカードに比べて導入や維持にかかる費用が安いが、規格が統一されておらず普及が遅れている。

 厳しい採算が続く地方の公共交通機関では今後、熊本同様の動きが増える可能性がある。国交省はQRコード決済の普及で利用客の利便性も確保したい考えだ。


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