【宮崎】宮崎市の「やすらぎの郷」 地場企業に譲渡へ
老朽化で休館した宮崎市所有の旧入浴施設「高岡温泉やすらぎの郷」(宮崎市高岡町)について、市は、市内の飲食店経営会社「3106キッチン」に無償で譲り渡す方針を決めた。年度内に譲渡の手続きを終え、2年後の2027年冬に再オープンする見通しとしている。
2027年冬 再オープン見通し
市によると、施設は温泉を備えた市民の休憩場所として1998年に開業した。当初は年間22万人が利用したが、コロナ禍の影響で2021年度は6万人に減少。老朽化に伴う設備の傷みも目立ってきたことから22年4月に営業を取りやめた。
その後、施設の先行きを探る調査で、改修費用に概算で4億2700万円かかることが判明し、市は従来の指定管理者による運営から民営化に伴う事業再生に方針を変更した。最初の公募は不調に終わったものの補助金の上限を1億円多い3億円に積み増し、24年度に再募集したところ2事業者から企画提案があった。
読書ラウンジや子どもの遊び場など
今年5月の審査では、交流機能を持つ読書ラウンジや育児支援も担う子ども向け遊び場、地産地消を掲げる飲食コーナーを備えた3106キッチンの提案が高い評価を受け、10年間は運営継続することを条件に採用が決まった。施設の建物は無償譲渡し、土地は無償で貸し付ける。
市は関連議案を12月1日開会の定例市議会に提出している。市都市戦略課は「民間事業者の経営ノウハウを生かし、地元に大きな経済効果をもたらす拠点になることを期待したい」としている。
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