北九州市と、北九州銀行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループ(FG)の連携による「サーチファンド」を使った、第1号の事業承継が実現した。11月26日に市役所で記者会見が開かれ、門司区の中小企業を引き継いだ元市職員の三浦一将さんが「これまでは外からの企業支援だったが、一歩踏み出し、挑戦していく」と意気込んだ。
市×山口FGの連携事業 第1号
サーチファンドは、経営者を目指す人材を募り、後継者を探す企業を紹介した上で、会社を継承するための株式取得を資金面から支援する手法。後継者難の企業が増えていることから、2023年に市と山口FG側が協定を結び、セミナー開催などで取り組みを進めてきた。
三浦さんは市役所で12年間、中小企業支援や企業誘致を担当する中で、サーチファンドを活用して経営者を目指すことを決め、今年3月に退職。ベビー用品のレンタル業などを手掛ける「オーリック」(従業員91人)の事業を9月に承継した。現在は専務を務め、将来的に社長に就任する予定という。
「一歩踏み出し、挑戦する」
三浦さんは「新規事業に取り組み、売上高も現状の3倍の30億円を目指したい」と語った。山口FGによると、現在、10人程度の経営者を目指す人材を支援しており、第2号の実現に向け、地元企業などへの紹介を進めるという。
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