ゼンリン公式ツイッターの「中の人」に聞いた 過去も未来も地図に刻む

記事 INDEX

  • 「中の人」は顔出しNGです
  • としまえん閉園ツイートに反響
  • 震災復興の初心とコロナ収束への願い

 地図の新しい楽しみ方を発信する地図大手「ゼンリン」(本社:北九州市)の公式ツイッター。「としまえん」(東京都練馬区)の閉園時には、その周辺地図にメッセージを添えて反響を呼ぶなど、自社の強みを生かした企業アカウントとして注目されています。「面白い」を共感につなげる秘密とは。「中の人」こと、ゼンリンのSNS担当者に聞きました。


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「地図マニア」にはならない


 

いわゆる「中の人」さんです。

 

顔出しNGで、申し訳ありません。ゼンリンのツイッター担当者やってます。

 

「中の人」歴はどれくらいですか?最初から?

 

私が担当になったのは2018年からで、当時のフォロワーは約1500人でした。アカウント自体は2011年9月に開設しました。

 

もちろん地図好きなんですよね?

 

うーん、ここはあえて「いいえ」ですね。ツイッターでは「地図マニア」にならないよう気をつけています。地図好きの人だけでなく、地図が苦手な人、地図にあまり親しんでこなかった人にも共感してもらえるように意識しています。

 

投稿のネタを探すのは大変でしょ?

 

うわー、ありがとうございます。大変なんですよ〜。プライベートで出かけるときは、地名や交差点とかに目がいきますね。完全に職業病です。

あと、社内にはSNSネタを提供してくれる有志のチームがあって、折々のトピックに関する情報をお願いすると、かなりの数が集まります。地図会社の社員だけあって、旅好きや鉄道好きが多いです。高速道路のジャンクションマニアなんかもいます。仲間のサポートに支えられています。

ゼンリン地図情報のデータベースも使います。5月5日の「端午の節句」には、京都府木津川市にある「節句田」という地名をツイートしました。こういう発見は楽しいですね。

「地図の読み方」とは?


 

投稿で意識していることはありますか?

 

自社をプロモーションしようとすると、どうしても宣伝くさくなって共感を得られにくくなります。ゼンリンらしさをとどめつつ、地図の楽しさを伝えられるよう意識しています。

地図は出かけたり、道に迷ったりしないと出番がありません。よほど地図好きでないと、普段から地図を広げて楽しむ人はいませんよね。地図に親しんでもらえる「地図の読み方」を、SNSを通じて発信できたらと考えています。

 

いつも「へぇ〜」と思わせる投稿に楽しませてもらっています。

 

ぱっと見て面白い投稿を心がけています。上司からも「面白いね」と賛同してもらわないと投稿しません。共感を得ていただくことを大切にしています。

「どちらかというと地図が苦手」という方にもゼンリンに興味を持っていただきたいですから。うれしいことに、投稿がメディアに取り上げられることも増えています。

としまえん閉園ツイートに反響


 

フォロワーからのリアクションも多いですね。担当してきて感動したことはありますか?

 

たくさんありますよ。昨年8月31日に閉園した「としまえん」のツイートは特に思い出深いです。古くなった地図は更新する必要があります。多くの人に愛された「としまえん」を後世に残しておきたいというメッセージを込めて、としまえん周辺の地図を投稿しました。すてきな感謝のメッセージもたくさんいただき、ツイッター担当者として集大成のような出来事でした。


 

セガさんとのコラボも印象的です。プレイステーション4の「龍が如く7 光と闇の行方」で舞台となった架空の街「横浜・伊勢佐木異人町」の住宅地図を再現しました。

私たちがツイッターで投稿している地図は、実際の住宅地図ではありません。住宅地図には個人情報もあるので。しかしゲームに登場する架空の街なら住宅地図を再現することができると考え、セガさんにお願いして地図をつくらせてもらいました。

震災復興の初心とコロナ収束への願い


 

地図の魅力は?

 

地図にはそれぞれが思いを刻めると思っています。未来を向いて「いつか行ってみたい」、逆に過去を振り返って「懐かしい」とか。「地図を読む」ことで、未来に思いを巡らせたり、思い出がよみがえったり、楽しみ方が広がると思っています。

 

いまやフォロワー数は約3万人に増えましたね。

 

ゼンリンは「B to B」がメインで、実際に地図を利用しているお客様と接する機会は多くありません。SNSはそういったお客様とコミュニケーションをとり、一緒に楽しむことが大前提です。

アカウント開設の契機は東日本大震災の復興支援です。当社は応急仮設住宅の調査業務を行い、調査スタッフの声をツイッターで発信していました。そうした「初心」は忘れないようにしています。今年2月には「防災バッグの中に地図を入れておこう」というツイートをしました。アカウント開設からもうすぐ10年です。今後も防災への貢献は意識していきたいです。


 

ゼンリンのツイッターはコロナ禍において、地図の新しい楽しみ方を教えてくれています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、近場への外出すらままなりません。ゼンリンのツイートが、コロナ収束後の未来へ思いを巡らすお手伝いをできたらと思っています。これからも多くの方に地図を楽しんでもらえるよう、投稿を続けていきますね。


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