「北九州国際漫画大賞」が10回の節目 今回のテーマは「鉄」

北九州国際漫画大賞は2016年度に創設された

 4コマ漫画のコンテスト「北九州国際漫画大賞」が、2025年度で第10回の節目を迎えた。現在、募集している作品テーマは、主催する北九州市の象徴でもある「鉄」。若手クリエイター育成につなげようと新たに「第10回記念 U-15特別賞」を設けており、担当者は「自由な発想でストーリーを考えてもらい、多くの作品を寄せてほしい」と呼びかけている。

漫画文化の普及を願い

 同大賞は漫画の魅力と潜在能力を広く発信し、漫画文化の普及を図ることを目的に2016年度に創設。一般部門と12歳以下のジュニア部門を設け、国内外のプロ、アマチュアから使用言語を問わずに作品を募集してきた。コンテストを運営する市漫画ミュージアムの田中時彦館長は「誰でも参加でき、レベル的に高い。毎回どんな作品が寄せられるのか楽しみにしている」と語る。

 第1回の応募数は670点で、第3回で最多の1784点を記録。「遊ぶ」をテーマにした24年度の第9回は1136点で、台湾やタイ、韓国など27か国・地域からも147点が集まり、審査委員からは「漫画の多様化が垣間見られたことがうれしかった」「温かい作品が多かった」などの感想が聞かれた。

9月1日まで作品を募集

 第10回の作品募集は9月1日まで。漫画大賞の公式ホームページで、1人5点まで受け付ける。同ミュージアム名誉館長のわたせせいぞうさんが審査委員長を務め、審査委員には漫画家のうえやまとちさん、萩岩睦美さんらが名を連ねる。

 受賞作品は12月上旬頃に発表され、一般部門では大賞30万円、海外部門賞20万円などの賞金が贈られる。26年4月1日時点で15歳以下の作品が対象となるU-15特別賞には、3万円相当の記念品を贈呈。ジュニア部門の賞品は、ペンや原稿用紙などの漫画家入門セットとなっている。


作品の応募を呼びかけるチラシ


 応募は、自作の未発表作品に限られる。人工知能(AI)を活用してキャラクターを作ったり、ストーリーを考えたりした場合でも、作者の意図が働くため利用を禁止していないという。24年度はジュニア部門が526点(うち海外4点)で全体の応募点数の半数近くを占めており、田中館長は「もっと子どもたちの応募数を増やしたい。4コマで作者の思いを表現できる技法を普及させたい」と期待している。

 問い合わせは北九州市漫画ミュージアム(093-512-5077)へ。


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